NEW急性感音性難聴に対する鍼治療の一症例(約2ヶ月の経過)
医師による診断:急性感音性難聴
症状
10日前から右耳の音が割れて聴こえるようになり、病院を受診したところ「急性感音性難聴」と診断された。
現在、薬物治療を行っているが改善が見られない。明日、病院へ入院の相談に行こうと考えているが、「その前に一度治療をしてほしい」とのことで当院に来院された。
【現在ある症状】
・右耳が聞こえにくい(難聴)
・右耳の閉塞感
・音が割れて聴こえる
【発症時(初回来院前)の右耳聴力データ】
⚬ 125 Hz: 50 dB
⚬ 250 Hz: 45 dB
⚬ 500 Hz: 25 dB
⚬ 1000 Hz: 30 dB
⚬ 2000 Hz: 40 dB
⚬ 4000 Hz: 45 dB
⚬ 8000 Hz: 55 dB
⚬ 4分法平均: 31.3 dB
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来院者
男性
70 代
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期間
2026年6月 ~ 2026年8月
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頻度
週2~3回
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通院回数
21回以上
施術と経過
右頸側面に著明な緊張が確認できたため、その緊張を緩め、右耳周辺の血流を改善させることを目的として鍼治療を行った。
1回目(6月17日)鍼治療開始。
2回目(6月18日)前回の治療後から、聴こえが良くなっているとの実感あり。予定していた入院の相談は見送り、当院での鍼治療を継続することとなった。
3回目(6月19日)耳の閉塞感が消失。少しずつ症状が良くなっている。
4回目(6月20日)今朝は少しだけ閉塞感を感じた。
5回目(6月22日)前回と同様の状態。
6回目(6月23日)病院での聴力検査の結果、低音域を中心に回復が見られ、少しずつ良くなっていることが数値でも確認できた。
・125Hz: 30dB、250Hz: 20dB、500Hz: 20dB、1000Hz: 25dB、2000Hz: 35dB、4000Hz: 45dB、8000Hz: 45dB
その後も定期的に治療を継続した。
22回目(8月13日):病院にて再度検査。全体的にさらに改善が進んでおり、4分法平均は23.8dBまで回復した。
・125Hz: 25dB、250Hz: 15dB、500Hz: 10dB、1000Hz: 25dB、2000Hz: 35dB、4000Hz: 40dB、8000Hz: 45dB
【現在の経過・自覚症状】
⚬ 聴こえ:自覚的な聞こえづらさはかなり改善している。
⚬ 閉塞感:普段は閉塞感がない日が多い。ゴルフ後や飲酒後に閉塞感が出現することがあるが、その都度鍼治療を行うと解消される。
⚬ 音割れ:大きな音を聞いた際に音割れすることがあるが、発症当初に比べると大幅に軽減し楽になっている。
使用したツボ
まとめ
急性感音性難聴に対し、右頸側面の緊張緩和を通じて耳周りの血流改善を図るアプローチを試みた症例である。
発症から10日目という早期の来院であったことや病院の治療も並行していたため、本施術のみの成果と断定はできないが、頸部の緊張緩和が内耳循環の回復を後押しする一助となった可能性がある。
オージオグラムの推移では、4分法平均が発症時の31.3dBから23.8dBへと改善した。特に低音域の回復が顕著であった一方、高音域は改善傾向にあるものの正常域には達しておらず、今後の課題として残る。それでも、閉塞感や音割れといった日常生活における不快感が大幅に軽減した点は、QOL(生活の質)の向上に寄与できたと考える。
また、ゴルフ後や飲酒後といった疲労や血流変動が加わる場面で一時的に閉塞感が再発する傾向が見られる。現状を過信せず、高音域のさらなる回復を目指すとともに、生活環境による体調変化に応じた継続的なコンディション調整と経過観察が求められる。





















