NEW妊娠中の腰痛・足のしびれ
症状
主訴は左臀部痛および左下肢のしびれである。妊娠6か月で来院し、妊娠5か月頃から腰の痛みを感じるようになったという。左臀部には鈍痛があり、左下肢後面にはジーンとするしびれを伴っていた。動き出す際や同一姿勢を続けた時に症状が強くなり、就寝時には幾分か楽になる傾向がみられた。デスクワークが長引くと臀部の鈍痛と下肢のしびれが強まり、じっとしていられない状態になるという。家事などで立ちっぱなしの時間が続くと徐々に症状が強くなり、動き出す際には臀部の痛みを感じるものの、動いているうちに楽になる傾向があった。
過去にも妊娠期以外で腰痛や坐骨神経痛の症状を経験したことがあるというが、医療機関の受診歴はなかった。
今回の症状に関連するか分からないその他の違和感は特にないとのことであった。
-
来院者
女性
30 代
-
期間
2022年4月 ~ 2022年5月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
5回
施術と経過
初診時には腰部の動きによる痛みの誘発を確認し、前屈や中腰姿勢を取った際に症状が発生しやすいことが確認された。手のツボ、足のツボ、臀部のツボ、腰部のツボを用いて鍼をした。
初回施術後には動作確認において動きが軽くなり、痛みはほとんど感じられなくなった。しびれもその時点で消失していた。
その後も複数回の施術を継続し、妊娠中であることを考慮して患側にこだわらず全身のバランスを意識した施術を行った。施術を重ねるごとに症状は徐々に解消していき、4回目の来院時には臀部痛と下肢のしびれはほぼ気にならない状態となった。その頃には肩こりや頭痛が新たに気になり始めたため、左臀部痛と下肢しびれを主体とした施術はこの時点で終了とした。
使用したツボ
まとめ
妊娠中に生じた左臀部痛および左下肢のしびれに対し、動作による痛みの誘発を確認しながら手足・臀部・腰部のツボを用いて施術を行った症例である。
妊娠期であることを踏まえ、患側に限定せず全身の状態を考慮した施術方針を取ったことが、症状の緩和につながった可能性が考えられる。初回から動作時の痛みやしびれの軽減がみられ、その後も回数を重ねる中で症状が段階的に解消していった経過は、妊娠期の坐骨神経痛様症状に対する施術方針を検討する上で参考になると考えられる。症状の変化に伴い他の愁訴が表面化するケースもあるため、経過を通して全身状態を継続的に確認していく姿勢が求められる。
























