NEWめまいと耳鳴りを伴う突発性難聴の改善経過
症状
右側からの音が聞こえづらく、めまいを伴い歩行時や自転車走行時に右側へ偏る症状が出現した。医療機関を受診し、突発性難聴の疑いと診断された。耳の聞こえの低下に加え、めまいと耳鳴りの症状も認められた。初診時の所見では、耳後部に硬結と圧痛が確認され、頚部から肩部にかけての筋緊張も顕著であった。
-
来院者
男性
40 代
-
期間
2024年7月 ~ 2024年12月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
16回~20回
施術と経過
初回施術では、手のツボを用いて耳への施術を行い、頚部周囲の筋緊張の緩和を図った。施術後、耳後部の圧痛と頚部の緊張は軽減したものの、聴覚症状の即時的な改善は見られなかった。2回目以降は、頚部・肩部・背部の緊張緩和に加え、手足のツボを用いた耳への施術を継続的に実施した。施術を重ねるにつれ、まずめまい症状が消失し、その後耳鳴りも改善傾向を示した。聴力と耳閉感については緩やかな回復過程を辿った。施術期間中、時折耳鳴りの増悪がみられたが、上部頚椎周辺と耳周囲へのツボを用いた施術で対応した。計20回の施術で大幅な改善が得られた。
使用したツボ
まとめ
突発性難聴の疑いに対して、手足のツボを活用した耳への施術と、頚部から背部にかけての筋緊張の緩和を組み合わせたアプローチを実施した。症状の改善は段階的に進行し、まずめまいの消失、次いで耳鳴りの改善、そして聴力と耳閉感の回復という順序で進んだ。耳鳴りの一時的な増悪に対しては、上部頚椎周辺へのアプローチで対応し、最終的に大幅な改善を達成した。本症例から、突発性難聴の疑いに対する施術では、耳への直接的なアプローチだけでなく、頚部から背部にかけての筋緊張の緩和も重要な要素となることが示唆された。