NEW起床時の肩の痛みと手のしびれ
症状

朝起床時に肩の痛みと手のひらまでのビリビリしたしびれを訴えて来院。9月頃は肩部のみのしびれであったが、徐々に範囲が広がり手のひらまで及ぶようになった。逆流性食道炎の疑いで数年来、胃酸を抑える薬を服用しており、医師の指示で左下向きでの就寝を継続していた。食事量が多い時や外食時に胸焼けの頻度が増加する傾向があった。毎日1時間程度の筋トレを行っているが、特に水平挙上時に三角筋の痛みが強く、それ以上の挙上でしびれが増強する状態であった。
-
来院者
男性
60 代
-
期間
2024年12月 ~ 2025年1月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
5回
施術と経過
初診時の触診で背中全体の緊張と腹部の緊張、冷えを確認。腹部の緊張緩和を目的として足と手のツボに鍼をした。また、肩甲骨の可動域改善のため、背中や腕のツボにも施術を行った。その結果、腹部の緊張が緩和され、それに伴い背中全体の緊張も改善。仰向けでの就寝が可能となり、胸焼けの症状も軽減。これにより左下向きでの就寝を強いられることがなくなり、肩の痛みと腕のしびれもほぼ消失した。
使用したツボ
まとめ
本症例では、逆流性食道炎の疑いによる左下向き就寝が肩のしびれと痛みの原因となっていた。腹部と背部の緊張緩和、さらに肩甲骨周辺の施術により、仰向けでの就寝が可能となり、結果として肩のしびれと痛みが改善した。このことから、睡眠姿勢の制限による二次的な症状に対しては、原因となる症状の改善と局所への直接的なアプローチを組み合わせることが有効であることが示唆された。また、胃の症状と姿勢、筋緊張には密接な関連があることが確認された症例である。