NEW床上での育児後に発症し座位で悪化する腰臀部痛
症状
デスクワーカーの40代男性が4日前から朝起床時より腰部の痛みを自覚した。発症前日は休日で、普段より長時間幼児と過ごし、床上での活動が増えていた。痛みは腰椎下部を中心に左の仙腸関節から臀部にかけて広がり、ズーンと中に響くような性質であった。静止時には痛みがないものの、動作時に痛みが出現し、発症以降、徐々に悪化傾向を示していた。デスクワークによる長時間の座位姿勢で症状が増悪し、起立動作や体幹の屈伸動作時に痛みが強く出現するため、動作が緩慢になっていた。
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来院者
男性
40 代
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期間
2025年1月 ~ 2025年1月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の所見では、左腰臀部にかけて強い緊張が認められ、腰部屈曲の動きに制限が見られた。特に中腰から体幹を伸ばす動作に支障が出ていた。長時間の座位による症状誘発を考慮し、臀部の緊張緩和を目的としたツボに鍼をした。また、仙腸関節の緊張に着目し、臀部のツボにも鍼を行った。その結果、動作時痛が消失し、大幅な改善が得られた。残存していた左臀部の重怠感に対しては、関連する足指のツボを用いることで完全に消失した。
使用したツボ
まとめ
床上での育児活動が誘因となり、その後のデスクワークによる長時間の座位姿勢が症状を悪化させた腰臀部痛の症例である。臀部の緊張と仙腸関節周囲の状態に着目し、適切なツボを選択したことで、即時的な効果が得られた。本症例では、慣れない姿勢での育児活動と、デスクワークという作業環境の両方が症状に影響を与えていたことから、今後の再発予防には、育児時の姿勢指導や、適切な休憩時間の確保なども考慮する必要があると考えられる。
担当スタッフ
洲崎 和広