NEW8年前から下痢で食事後にトイレを繰り返してしまう症例
症状
主訴は下痢とそれに伴うトイレの回数の多さである。8年前に抗がん剤の治療を開始して以降、この症状がみられるようになった。朝食後から昼にかけて排便回数が多くなる傾向があり、昼までに10回程度トイレに行くこともあるという。腹痛や急な便意の強さは伴わないとのことであった。この症状により、仕事をしたくてもできない状態が続き、楽しい時間を不安なく過ごすことも難しいと訴えていた。過去に過敏性腸症候群と言われたことがあり、14年前には大腸がんから肺や肝臓への転移を繰り返していたが、ここ4年は転移なく経過しているとのことであった。同時期に、息切れのしやすさ、疲れやすさ、天候不良時の頭痛もみられていた。
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来院者
50 代
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期間
2026年10月
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頻度
週1回程度
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通院回数
2回
施術と経過
初診時には、右下腹部(鼠径部に近い部位)と右季肋部に圧痛が認められ、首の前屈動作にも制限がみられた。手足のツボと背中のツボを選んで鍼をした。初回の施術後には、便の硬さが5割程度戻り、排便回数もそれまでの10回程度から半分ほどに減少した。また、普段は階段を上りきるとゆっくり上がっても息切れが生じていたが、それがみられなかったとの報告があった。2回目の施術では、初診時に認められた右下腹部と右季肋部の圧痛が消失していることを確認した。現在も2回の施術を終えた段階であり、今後も施術を継続していく予定である。
使用したツボ
まとめ
抗がん剤の治療開始を機に生じた下痢と頻回の排便に対し、腹部の圧痛や頸部の可動制限といった全身の状態を確認しながら、手足と背中のツボを選んで施術を行った。初回の施術後から排便回数や便の性状に変化がみられ、あわせて階段昇降時の息切れにも変化が報告された点は、消化器症状だけでなく全身状態の観察が施術方針を立てるうえで参考になった事例と考えられる。2回目の施術では初診時に確認された圧痛が消失しており、経過を追いながら所見の変化を確認していくことの重要性がうかがえる。今後も施術を継続しながら経過を観察していく必要があると考えられる。









