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症例を投稿した鍼灸院:音楽のための身体調整 しらべ

歌うとき高い音のコントロールがきかず音程がひっくり返る

歌うとき高い音のコントロールがきかず音程がひっくり返る

症状

歌を仕事にしているが1か月前から高い音で声がひっくり返るようになった。特に思いあたる原因はない。何日か練習をひかえて体調を整えてから歌っても状況は変わらず、高い音でのコントロールが効かない状態を再現するようになってしまった。
他の音域や会話はまったく問題ない。
このような不調は初めてで、もしかしたら喉のディストニアではないかと不安になり(病院でディストニアと診断されたわけではない)来院。

  • 来院者

    男性

    40 代

  • 期間

    2020年9月 ~ 2020年10月

  • 頻度

    週2~3回

  • 通院回数

    4回

施術と経過

1回目 施術前に歌ってもらうと、この時は比較的調子が良く高音で声がひっくり返ることはなかった。しかしひっくり返りそうな音程にさしかかるとやや割れるような声になっていた。喉まわりを触れると左の胸鎖乳突筋が硬く緊張していた。また背中が上部胸椎では左側、下部胸椎では右側が強く張っていた(側弯の既往はないとのこと)。手と足のツボを使って胸鎖乳突筋の緊張をゆるめると背中の張りの左右差も少し解消し、歌っても声が割れることはなくなった。

2回目 施術前に声を確認すると高音で音程がひっくり返る症状を再現した。顎関節と下顎骨内側に緊張が見られたことから関係するツボを加えて、他は前回と同様の施術をくり返した。

3回目 「調子が良くなってきて声がひっくり返ることが減って」きた。腰かける動作を見ていて股関節の動きが気になったため、聞いてみると「左股関節の動きが苦手」とのこと。股関節に関係するツボを加えたところ「体全体が軽くなった感じ」がして高音が響きを持ったまま軽く声を出せるようになった。

4回目 前回以降、声がひっくり返ることはなくなっていた。リハーサルで共演者からも「良くなってきた」と言われたとのこと。前回と同様の施術を行い、調子が悪くなったらまた連絡をもらうこととして、いったん終了とした。

さらに1週間後「舞台本番を無事終えることができた」とのメッセージをいただいた。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

まとめ

声の問題だからといって喉まわりだけに原因があるとは限らない。脊椎や股関節など全体を見て施術したこと、また症状が出てから早期に来院いただいたことが少ない回数での改善につながった。

担当スタッフ

楠 洋介

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