症状

40代の男性が、別の症状で通院中に右腰の痛みを訴えた。数日前から朝の起床時にのみ痛みが出現するようになったとのことであった。日常生活や仕事に大きな支障はなく、医療機関での診断や治療は受けていなかった。動作確認では特に問題は認められなかったが、触診において腰部下部に著明な筋緊張が確認された。症状に関連する他の体調的な違和感は特に訴えられなかった。

施術と経過

初診時の触診で腰部下部に著明な緊張が認められた。この緊張は前脛骨筋との関係が深いと判断され、前脛骨筋にも著明な緊張が確認された。そのため、前脛骨筋のツボに鍼を施した。施術直後、腰部の緊張は減少したが、症例者の自覚的な変化は特に感じられなかった。一週間後に別の症状で再来院した際、朝の起床時に感じていた右腰の痛みが完全に消失したとの報告を受けた。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• 元瑠 R

ツボ名称下に表示されるスコアメーターについて ツボの重要度を表したものです

症状スコア

まとめ

本症例は、朝の起床時にのみ出現する右腰の痛みに対して、前脛骨筋への鍼施術が有効であった事例である。腰部下部の緊張と前脛骨筋の緊張との関連性に着目し、前脛骨筋のツボに施術を行った結果、一週間後には症状の完全な消失が確認された。施術直後には自覚的な変化が乏しかったものの、時間経過とともに症状が改善したことから、筋緊張の緩和が遅延性に効果を発揮したと考えられる。腰痛に対して下肢の筋緊張へのアプローチが有効である可能性が示唆された。

症例の鍼灸院：はりきゅうルーム カポス