NEW腹痛と軟便が続く「潰瘍性大腸炎」の症例
症状

潰瘍性大腸炎と医療機関で診断されている状態で来院。3か月前から、へその周辺、下腹部、季肋部周囲に痛みが出るようになった。特に雑踏地区に行くと症状が悪化し、腹痛に加えて軟便や腹部膨満感が生じ、トイレに行かざるを得ない状況になることが多かった。これにより日常生活や仕事に支障をきたし、外出が制限されることもあった。医療機関では免疫抑制剤が処方されたが効果は見られなかった。また、肩こりも併発していた。
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来院者
女性
20 代
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期間
2025年3月 ~ 2025年6月
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頻度
週1回程度
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通院回数
8回
施術と経過
初診時の触診では、頸部の伸展時に痛みがあり、腹部ではへそ周囲に強い硬結が確認された。施術では、手足のツボに鍼を行った。初回施術後は大きな変化は見られなかったが、2回目以降も同様の施術を継続した。施術を重ねるごとにトイレの回数や腹痛の頻度が減少し、症状が改善していった。6回の施術を経て、間隔を空けても症状が安定するようになったが、2週間間隔にした際には効果が持続せず症状が再発することもあった。施術期間中、出雲スケールを用いて症状の変化を記録し、経過を確認した。また、投薬療法と併用して施術を行ったことで、症状の早期回復が図れたと考えられる。
データ
使用したツボ
まとめ
腹部の痛みや軟便、膨満感といった症状に対し、手足のツボへの鍼施術を継続的に行うことで、症状の頻度や強度が徐々に軽減した。特に腹部の硬結に対応する施術が効果的であったと考えられる。出雲スケールを用いた記録により、症状の変化を客観的に把握できたことも治療方針の調整に役立った。また、投薬療法との併用が症状の早期回復に寄与したと考えられる。今後は、症状の再発を防ぐために適切な施術間隔を維持しつつ、肩こりなどの併発症状にも対応していくことが重要である。
担当スタッフ
藤枝 聖也