症状

30年前から「花粉症」の症状があり、一時期は改善していたが、2週間前に再発した症例である。主な症状は目のかゆみ、止まらない鼻水、くしゃみで、症状は一日を通して継続的に出現していた。これらの症状により仕事への集中力が著しく低下していた。医療機関での検査により、「スギ」「ヒノキ」「ブタクサ」へのアレルギー反応が確認されている。

施術と経過

初診時の所見では、首肩の緊張、頭部の熱感、呼吸の浅さが観察された。施術では背部や四肢のツボに鍼をして、頭部の熱を下げることを目指した。初回施術後は鼻閉の軽度改善のみであったが、2回目の施術で目のかゆみがほぼ消失した。3回目からは鼻症状も改善傾向を示し、4回目では朝方のみ症状が残る程度となった。5回目の施術後には症状はほぼ消失した。施術期間中の症状の再燃や新たな症状の出現は認められなかった。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• 颪 LR
• 附分 LR

まとめ

本症例は30年来の「花粉症」の再発例であり、目のかゆみ、鼻水、くしゃみを主訴として来院した。背部および四肢のツボへの鍼施術を主体とした治療アプローチにより、5回の施術で症状がほぼ消失するまでの改善が得られた。特筆すべき点として、2回目の施術で目のかゆみが著明に改善し、その後段階的に鼻症状も改善していった点が挙げられる。これは全身の緊張緩和と自律神経系の調整が奏功したものと考えられる。本症例から、花粉症に対する鍼施術の有効性が示唆され、特に目のかゆみに対する即効性が認められた。今後は花粉の飛散時期に合わせた予防的な施術も検討することで、さらなる症状コントロールが期待できる。

症例を投稿した鍼灸院：はりきゅうルーム カポス