症状

50代女性。1ヶ月間毎日続く、ぐるぐる回るめまいを訴えて来院した。めまいは気を張っている時には軽減するが、気が抜けると悪化し、横になる時間が増えるなど日常生活に支障をきたしていた。医療機関を受診したが異常は認められなかった。初診時の触診では、首、背中、腰の張りが確認された。めまいに加えて首と腰の痛みも訴えており、精神的な疲労も蓄積している様子であった。

施術と経過

初回は首から肩甲間部の張り、精神的疲労に対して、頭部と臀部のツボに施術をした。施術後、めまいは2割ほど軽減し、全体的にスッキリした感覚が得られた。2回目以降も引き続き首から肩甲間部の張りを緩める施術を継続した。3回目の施術後にはめまいが3分の1まで軽減した。6回目以降は間隔を開け、8回目にはめまいがほとんどなくなった。施術期間中に元々あった腰痛が悪化しギックリ腰を発症したが、それに対しても施術を行い改善した。計10回の施術で症状は大幅に改善した。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• 百会 正中
• 膀胱兪 R
• 胞肓 LR
• 殷門 LR
• 三陰交 L

ツボ名称下に表示されるスコアメーターについて ツボの重要度を表したものです

まとめ

回転性めまいと首から腰にかけての張りを訴えた症例に対し、首から肩甲間部を中心とした施術を行った。百会や胞膏のツボへの施術により、精神的疲労の軽減と筋緊張の緩和が図られた。3回目の施術でめまいが顕著に軽減し、8回目でほぼ消失したことから、首から肩甲間部の張りがめまいの一因となっていた可能性が考えられる。施術期間中に発症したギックリ腰にも対応し改善が得られた。計10回の施術により、めまいと身体の張りが大幅に改善し、日常生活への支障も解消された。

症例の鍼灸院：鍼灸TAKA