20年来の腰痛が悪化し、首肩にも痛みが出る
症状
20代の頃から腰痛があり、ここ3週間ほどで急速に悪化してきた。以前であれば痛みが強くなっても、1週間ほどで良くなっていたが、今回は痛みが引かないため、来院した。
寝た状態から起き上がるときに、腹筋の力で起き上がることができず、一度側臥位になって手の力を使って起きている。
車から降りる際、デスクから立ち上がる際にも痛みが出る。
首から肩、腕にかけても痛みがあり、医師から頚椎ヘルニアがあると言われたことがある。
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来院者
男性
40 代
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期間
2020年10月 ~ 2020年11月
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頻度
週1回程度
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通院回数
2回
施術と経過
1診目。施術室に向かう足取りも苦しげにみえる。肩と腰、とくに仙腸関節部分に強い緊張がみられることから、仙腸関節と関係が深い肩付近のツボに鍼をしたところ、痛みが軽減した。腰椎付近の筋肉に触れたところ、強い緊張がみられたため、当該の部位に関連する足のツボに鍼をすると、腰の痛みが軽減し、前屈の姿勢が取りやすくなった。
2診目。首、背中の緊張は大幅に軽減しており、腰も痛みが残るものの、1診目のときよりも楽に動けるようになっている。腰を前屈させるときに痛みが強く出るため、手のツボに鍼をし、痛みの軽減を図った。足の付け根の緊張を緩めるためにさらに一箇所に鍼をしたところ、痛み・違和感が大幅に減少した。
腰の痛みは若干残っているものの、当初よりも大幅に軽快し、歩行など日常動作の不都合がなくなったため、患者本人の希望もあり2診目で施術を終了とした。
使用したツボ
まとめ
肩甲間部を中心とした首・肩と腰の動きは深い関連がある。
この患者は両方に痛みが出ていた。腰の緊張が首・肩に、首・肩の緊張が腰に波及するという悪循環を成していたため、ここに介入する必要があると判断した。
両部位の過度の緊張を緩めることにより、日常生活に支障が出ないレベルにまで痛みを軽減させられた例である。