NEW妊娠中期の逆子に伴う腹部緊張と冷えの改善例
症状
妊娠29週で逆子の診断を受けた症例である。主訴は腹部の張り感で、胎動と共に症状が変動していた。切迫傾向があったため、産婦人科より安静指示を受けていた。また、夏季にも関わらず腹巻が必要なほどの冷えと、肩上部の持続的な緊張感を伴っていた。日常生活への支障は少なかったものの、右季肋部の緊張が特に顕著であった。
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来院者
女性
30 代
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期間
2024年8月 ~ 2024年8月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時、腹部の緊張と冷えが顕著で、特に右季肋部での緊張が強く確認された。また、肩上部にも強い緊張が認められた。施術では、腹部の緊張緩和を目的として手足のツボに鍼をした。さらに、肩甲骨や肩の緊張除去と深い呼吸を促すため、臀部のツボにも鍼を施した。最後に小指のツボに10壮のお灸を行った。施術4日後の検診で胎位が頭位に改善されたことが確認された。また、腹部の張り感が消失し、冷えも改善され、症例者からは「温まった」との報告があった。
使用したツボ
まとめ
本症例では、腹部の緊張と冷えを伴う逆子に対して、手足と臀部のツボへの鍼施術、および小指のツボへのお灸により改善が得られた。特に、腹部の緊張緩和と体温調節機能の改善が、胎位の正常化に寄与したと考えられる。逆子の症例において、単に胎位の改善だけでなく、腹部の緊張や冷えなどの随伴症状にも着目することの重要性が示唆された。また、切迫傾向がある場合でも、適切な刺激量での鍼灸施術が安全かつ効果的な治療選択肢となり得ることが確認された。
担当スタッフ
洲崎 和広