逆子になったとき、鍼灸院でできること
いつから鍼灸を受ければいいの?
逆子の治療は28週以降、早ければ早いほどよいです。逆子は、「いつ治療を始めるか」で結果が大きく変わってきます。逆子は自然に直ることもあるので「待つ」という気持ちのゆとりは大事ですが、手遅れになる前に行動を起こすことが大切です。1日でも早く鍼灸を受けることをおすすめします。
治療のペースは?
必要となる通院ペースは週に2〜3回です。1回で治るとは限らないので2~3回程度の施術を受ける心構えで来院されることをおすすめします。5回以内で治ることを目標にしています。
直ったあとは?
逆子が直った後、もう一度逆子になることがあります。特に早い時期に直った場合は子宮のゆとりがあるために再び赤ちゃんが逆子になることがあります。経験上、33週以降に直った場合は元に戻ることが少ないです。一旦、逆子が直っても油断することなく、疲労・冷え・ストレスを避けるように過ごすことが大切です。直った後も鍼灸を何度か受けると逆子になりにくい体になります。
どうして逆子になるの?
逆子になる原因は詳しくはわかっていません。産科でも詳しいことは教えてくれないと思います。でも、東洋医学で考えると、逆子になりやすい傾向が見えてきます。注目するのは体の熱のバランスです。昔から「頭寒足熱」と言われる言葉があります。「健康体は頭が涼しくて足が温かい」という意味です。逆子の妊婦さんは、熱のバランスが逆転している場合があります。
そうすると、赤ちゃんは勘違いをして逆さまになってしまうのです。
妊娠中に鍼を受けても大丈夫?
適切なツボ選び・適切な刺激を守る限り、鍼灸治療において赤ちゃんに害を及ぼすことはありません。むしろ母体(母胎)を整え赤ちゃんが快適な状態にすることが逆子治療の本質です。治療によって体調の改善が期待できます。一例としてほとんどの妊婦さんで便通の改善がみられます。
逆子が治りにくい人はいるの?
逆子が治らないとき・治りにくいときには以下のような原因が考えられます。
・疲労しているとき
・ストレスが強いとき
・胃腸を冷やしているとき
・子宮の奇形
・臍帯が長すぎて絡まっているとき
・臍帯が短すぎるとき
・前置胎盤のとき
・胎児の姿勢が悪いとき
・胎児が大きくなりすぎたとき
・逆子で悩みすぎているとき
必要な対策を済ませたら、別のことを考えて過ごす方がよい結果が得られます。
どんな施術をするの?
逆子を治すためには、身心がリラックスしていることや冷えと熱のバランスが整っていることが大切です。そのために、全身をつぶさに観察して最小限の刺激で最大の効果が出せるようなポイントに鍼をします。鍼の本数が多すぎると、過度な刺激になってしまい身体のリラックス効果が生み出せなくなってしまうため本数は多くとも8本ほどになります。また、熱い施術や痛い施術は行いませんし、お腹に鍼をすることもありません。
自分でできることは?
第一に家族の理解を得ることが大事です。気にすればするほど治りにくいのが逆子です。逆子がわかれば、妊婦さんだけではなく家族全員が心配するものです。あえて、家族は見守ることに徹し妊婦さんにプレッシャーを与えないようにすることが大事です。 妊婦さん自身が気をつけることは、冷たい物を飲まないこと。胃腸が冷えていると逆子が治りにくいからです。
逆子体操などの鍼灸以外での逆子改善の方法について、当院では特別な指導はしていません。(逆子体操と鍼灸を併用した方が治りやすいというデータはありません) アドバイスとして、辛さを我慢しながら体操を行うことはおすすめできません。「治すため何でもする」という強い意志をお持ちの方に頑張りすぎの傾向がありますが、逆子は頑張って治すものではありません。頑張ることで体と心の負担がかかり、逆に治りにくい状況を生むことがあります。
提供:養気院