NEW寝返りと前屈動作で痛む腰部痛と静止時の下腹部痛
症状
右の腰部から仙骨・臀部にかけて手のひらサイズ程の痛みを呈する症例であり、下腹部痛もあることから前側も後側も違和感を抱え過ごしていた。
1ヶ月前から静止時には下腹部痛があり、IBS(過敏性腸症候群)の疑いも認められた。経過をみていたが2週間前に大雪が降り、その際の雪かきで腰部を痛めた。すぐに整形外科を受診し、レントゲン検査では異常所見は認められず、投薬による経過観察となっていた。当初の痛みより半減したが動作時が強く腰部の痛みが出現し、特に寝返りや前屈時に症状が増悪する。仰向けの姿勢をとることが困難で、日常生活動作に支障をきたしていた。
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来院者
女性
40 代
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期間
2024年12月 ~ 2024年12月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
所見では、右腰部に強い緊張が確認された。前屈動作時の右腰部痛、仰臥位での下肢伸展制限、側臥位での体幹牽引時痛、寝返り動作時痛が認められた。また、恥骨付近にも緊張が見られた。
まず、膝窩部のツボ・ハムストリングス部のツボ・小指のツボに対して鍼をして腰部・仙腸関節の緊張を取り除いた。すると仰臥位保持が可能となった。前屈動作時の痛みは半減したことから腰椎下部・仙腸関節の捻じれを取り除くことを目的に臀部・足のツボに鍼をすると痛みが消失したことから施術を終えた。
使用したツボ
まとめ
腰部痛と下腹部痛を併発した症例において、下肢後面と末梢部のツボへの鍼施術が有効でありました。特に、本症例では恥骨部の緊張も認められ、IBS(過敏性腸症候群)の疑いを有する症例者の腰部痛に対して、末梢部からのアプローチが奏功した。施術後は仰臥位保持が可能となり、前屈動作時の痛みも消失したことから、末梢部への施術が体幹部の症状改善に寄与する可能性が示唆された。
担当スタッフ
洲崎 和広