NEW腰を曲げると突っ張る腰痛
症状
60代の症例者が腰の痛みと違和感を主訴に来院した。2日前から症状が出現し、庭の落ち葉をしゃがんで拾い集めた後、毎日行っている孫の入浴介助で下から持ち上げる動作をした際に痛みが生じた。普段の動作では痛みや違和感は出ないが、動作の始めや椅子に座ったまま腰を曲げると腰が突っ張る感覚があった。孫の体重は8kgで、入浴介助は毎日行う必要があり、娘に心配をかけたくないという思いから継続したいと考えていた。このままではギックリ腰になってしまうと予防のために来院した。医療機関は受診しておらず、整形外科ではシップのみの処方になると考え、鍼治療を第一選択とした。
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来院者
女性
70 代
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期間
2025年11月 ~ 2025年11月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時、動作一つ一つに時間がかかるほど痛みが強い状態であったため、無理にうつぶせ寝にはせず、座位のまま施術を開始した。腰に関係する背中、足、手のツボに鍼をした。背中の筋肉の過度な緊張が緩和したため、うつぶせ寝の姿勢をとってもらい、臀部のツボに鍼をした。初回施術後、腰を伸ばせるようになり、動き始めに違和感は残るものの、痛みは10段階評価で10から2まで減少した。下を向くと腰に響く症状が残っていたため、響く場所と関連する首のツボに鍼をして初診を終了した。4日後の再診時には、寝ている状態からの起き上がりに恐怖感はあるものの、その他の動作は通常通り行えるようになっていた。同様の施術を行い、2回の施術で日常生活に支障のない状態まで回復した。1ヶ月経過後も良好な状態が維持されている
使用したツボ
まとめ
育児動作による腰の痛みと違和感に対して鍼治療を行い、良好な結果が得られた。背中、臀部、足、肩甲骨のツボへの施術により筋緊張が緩和され、痛みが消失した。症状が限局的になるにつれて施術部位を絞り込む方針が効果的であった。初回施術のみで症状が改善し、1ヶ月後も良好な状態が維持されていることから、予防的な鍼治療の有効性が示された。毎日の育児動作による負担が蓄積する前に早期に対処したことが、ギックリ腰への進行を防ぐことにつながったと考えられる。











