NEW長時間の同一姿勢で腰が痛む
症状

数年前より断続的に腰痛を訴えており、今回は座位で長時間仕事を続けた後に腰部の疼痛が再発。1時間ほどの座位姿勢で痛むようになってきたとの事。特に座位からの立ち上がりや腰部の伸展動作時に強い痛みを感じていた。疼痛部位は仙腸関節の内側および外側に限局。腰椎の伸展動作と触診にて痛む部位を確認した。1年ほど前にも同様の痛みがあり整形外科を受診した際には、「レントゲン上の異常はない」との事であり、今回は病院等の受診はまだしていない状態であった。
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来院者
男性
50 代
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期間
2025年6月 ~ 2025年7月
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頻度
週1回程度
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通院回数
2回
施術と経過
初回施術:前腕外側部へ刺鍼を行ったところ、腰部伸展動作が容易となり、疼痛が下方へ移動する変化がみられた。
次に肩甲骨上角付近に刺鍼を追加すると、さらに伸展動作が円滑となり伸展動作時に仙腸関節の内側には痛みを感じなくなったとの事であった。仙腸関節外側の痛みに対して疼痛部位に直接刺鍼したところ、伸展動作時の疼痛の減弱を認めたため初回の施術を終了とした。
施術2回目:伸展動作時、仙腸関節内側の痛みは感じない状態が続いているが、外側の痛みは初回施術前の状態に戻ったとの事。動作を確認し、肩甲骨内縁に刺鍼したところ伸展動作時に仙腸関節外側の痛みを感じなくなったとの事で今回の腰部痛の訴えに対する施術を終了とした。
使用したツボ
まとめ
長時間の座位姿勢により誘発される腰痛に対し、背部、肩甲骨周囲のツボへの刺鍼により、腰椎伸展時の可動域が改善した。本症例では、腰部周辺だけでなく背部や肩甲帯への施術を組み合わせることで、可動域の改善とそれに伴う疼痛の改善がみられた。これは腰痛に対するアプローチとして、局所だけでなく全身的な視点での施術の重要性を示唆していると考える。