NEW全身の緊張緩和で改善した突発性難聴の症状
症状
2週間前に突然発症した左耳の聴力低下と耳鳴りを主訴として来院した50代の症例者である。仕事による睡眠不足や疲労が誘因として考えられる。症状は常に持続しており、会話や電話での不便さを感じ、特に人混みでの会話に支障をきたしていた。医療機関にて突発性難聴の疑いと診断され、1週間の入院加療を行うも改善が見られなかった。めまいなどの随伴症状は認められなかった。
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来院者
男性
50 代
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期間
2023年5月 ~ 2023年6月
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頻度
週2~3回
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通院回数
7回
施術と経過
初診時、首肩の全体的な緊張と臀部のハリ感が確認された。これに対し、全身の緊張緩和を目的として臀部のツボへの施術を行い、その後、首周りの緊張緩和を目的として手足のツボに施術を実施した。初回施術後より耳鳴りは残存するものの、自覚的な聴力の改善が認められた。以降も同様の施術方針で継続し、回数を重ねるごとに聴力の改善が進行した。5回目の施術時には症例者より「正直ここまで良くなると思わなかった」との報告があり、計7回の施術で大幅な改善に至った。施術期間中、症状の再燃や新たな症状の出現は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
突発性難聴の疑いに対し、全身の緊張緩和に重点を置いた施術アプローチを実施した結果、段階的な改善が得られた症例である。特に、初回施術後から自覚的な聴力改善が認められた点は注目に値する。西洋医学的治療で改善が得られなかった症例であったが、全身の緊張状態の改善を図ることで聴力の回復につながった可能性が示唆された。本症例では、仕事によるストレスや疲労が誘因として考えられることから、今後の再発予防には生活習慣の改善も重要である。