食事がこぼれる、目が乾く、頬がひきつれる
症状
来院の10日ほど前、右顔面部に動きにくさを感じ、病院を受診した。すると、ラムゼイハント症候群と診断され、即入院となった。
入院中(1週間)はステロイドの点滴による治療を受け、半分程度まで回復はした。しかし、①口角が閉じきらず、食事は気を付けないと口の中のものがこぼれる、②まばたきがしにくいため目が乾き、目薬を頻繁に差さないと目が乾く、③笑った時に頬がひきつれる、といった症状が残った。「人との対面や食事に不安や不便を感じている」とのこと。
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来院者
女性
40 代
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期間
2019年5月 ~ 2019年6月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初診時は、まぶたの動きと口角の動きの左右差が顕著であった。
首肩の状態を確認すると、右の側頚部、後頚部、背部に強い緊張があったため、その緊張をとるために手と足のツボに鍼をした。その後で動きを確認すると、口角の動きが良くなっていたため、初診はここで終了とした。
2〜5診目、「徐々に良くなっている感覚」があるとのことで、口角、まぶたの動きも左右差がなくなっていた。入院中に録画していた顏の動きと比較して回復を確認することもできた。
6診目、食事は問題なくできるようになり、目薬もほとんど差す必要がない程度まで回復。上まぶたの動きに若干違和感があったため、背中のツボに鍼をした。すると、違和感がほとんど消失したため終了とした。
使用したツボ
まとめ
ラムゼイハント症候群と診断された顔面神経の麻痺症状は、改善に時間がかかる場合が多い。しかし、首や肩の緊張を緩めることで、早期に改善する場合も多い。また、動画で状態を記録していたことで、ご本人も改善をはっきり認識できた。