ウッとなる胃の膨満感とゲップ
症状
主訴は胃部膨満感、ゲップ、胃痛。
現病歴的には4年前に胃痛を感じ始めた。
3年前からコロナ禍になり、胃痛が憎悪、胃部の膨満感、ゲップが出てきた。
2年前に内科で内視鏡検査をするものの器質的な異常はなし、六君子湯の服用で様子をみることとなった。
当院にご来院される年の1月に六君子湯を服用をするものの変化がみられなくなったため、他の内科を受診。
胃カメラとレントゲン検査の結果、器質的な異常はみられず機能性ディスペプシアと診断された。
ほぼ毎日、みぞおちの痛み、胃のもたれ、食後早期の膨満感で悩まれており、インターネットで当院をみつけご来院された。
-
来院者
女性
30 代
-
期間
2023年11月 ~ 2023年1月
-
頻度
月3回程度
-
通院回数
5回
施術と経過
触診をすると季肋部、みぞおち、背中に硬さを感じた。
その硬さを寛解することで消化機能を高めていくことを目的とした。
経過をGSRS問診票(胃や腸の症状に対して15項目の質問票)の全体スコアで追っておくこととした。
※GSRSスコア各項目1点〜7点。全て1点だとしても15点にはなる。
初診時
GSRS問診票スコア47
下腿のツボ、背部肩甲骨のツボ、頭部のツボに鍼をした。
2診目
GSRS問診票スコア36
前回の施術後2~3日は薬を飲まなかった。
腹部の膨満感は依然としてあり、ウッとくる感じがあった。
背部のツボ、下腿のツボ、前腕のツボに鍼をした。
3診目
GSRS問診票スコア19
2診目後かなり楽になった。
コーヒーを試しに飲んでみたが問題なかった。
季肋部を緩めるために手のツボ、肩甲骨に付着する筋肉のツボ。
脊柱を緩めるために背部のツボに鍼をした。
4診目
GSRS問診票スコア16
年末年始をはさんでのご来院。
特に問題なく、食事をすることができた。
ケアのためにスネと背中のツボに鍼をした。
5診目
GSRS問診票スコア15
FD症状はこの時点でもう何も問題は無くなった。
データ
使用したツボ
まとめ
医療機関では異常がみられない機能性ディスペプシアの症例。
器質的な問題はないものの症状は出る。
検査的には異常はないが体表の観察。
つまり触診をしていくことで筋肉の緊張などは存在する。
その筋肉の緊張を寛解させることで内臓機能が高まり、不調が改善していく。
まさに鍼灸の強みが出た症例であったと言える。
担当スタッフ
杉山英照