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パニック障害の解決に鍼灸という選択を!

最近では芸能人の方でもパニック障害を患っていたという告白をされる方も多くよく耳にする方も多いと思います。

意外と知られていませんが実はパニック障害は鍼灸の治療の適応症です。

今回は鍼灸治療とパニック障害についてみていきましょう。

 

パニック障害とは?

病的な不安(あるいは恐怖)を主症状とする病気を「不安症」呼びます。

その中でも突然、非常に強い不安を感じ、死の恐怖に囚われるのがパニック障害(パニック症)です。

 

疫学

男女比は女性に多く男性の2.5倍。

年齢層は18~59歳までの全ての年齢。60歳以上で減少傾向。

有病率は米国の大規模調査で生涯に1.6%の人がかかるという報告もあります。

 

特徴

突然の動悸、呼吸困難、胸痛、吐き気、めまいなどの身体症状が発現して、激しい不安に襲われるパニック発作を繰り返すのが特徴のひとつです。

検査をしてもパニック発作を起こす身体的な異常がみつかりません。

また、そのパニック発作は非常につらくて苦しいものですが、それによって命を落とすことは絶対にありません

 

しかし、患者自身はまた発作が襲ってくるのではないかと常に強い不安を感じています。

それを予期不安と呼びます。

 

さらに“あの場所”で発作が起きたと強く記憶が残り、その場所を避けるようになります。

それを広場恐怖と呼びます。

人によっては外出することができなくなり、抑うつ状態に陥ることがあります。

 

現代医学では投薬が行われることが多いです。

 

東洋医学とパニック障害

パニック障害は現代病と言われがちですが実は古来から存在してました。

漢方の世界では豚が走り回ると言われる病、奔豚気病(ほんとんきびょう)と呼ばれていました。ドキドキと動悸がしてもうどうしたら良いのかがわからなくなるような病気とされています。

 

鍼灸師はこう考える

多くの研究結果からパニック障害は鍼灸治療で完治が目指すことができる病気とされています。

このコラムの執筆者である杉山は、全日本鍼灸学会神戸大会にて【鍼灸治療と傾聴が奏功したパニック障害の1例】として症例報告をしています。

この症例報告では完治した例を報告しています。

 

鍼灸師の立場から考えると以下のようになります。

身心を整える。

身から心へ。

身体面から心理面へ。

 

あくまで無意識レベルで起きていることです。

では身体面でどのような状態が起きているか?

ズバリ。

呼吸が浅くなっています

患者さんに実際に聞いてみると呼吸が浅い気がするという訴えをされる方がほとんどです。

 

何らかの理由で緊張。

緊張することで呼吸が浅くなる。

呼吸が浅くなると脈拍数が増える。

動悸がする。

発作が起きる。

不安になる。

 

このような連鎖が起きていると考えられます。

私はよく自転車の空気入れに例えます。

一回であまり空気が入れれない空気入れは何回も空気をシュポシュポしないといけません。

その状態と同じになっていると伝えます。

 

ではどうしたらよいでしょうか?

 

首や肩や背中の筋緊張。

呼吸を補助する筋肉の緊張。

それらを緩めてあげれば呼吸が深くなり、脈拍がゆったりしてくる。

動悸がおさまる。

不安もおさまるようになってくる。

 

先ほどの例で言えば空気入れが一回でたくさんの空気が入れることができるようになればその回数も減ってきます。

その状態と同じです。

 

鍼灸は脳にも作用!?

これはすでに科学的に証明がされています。

パニック障害が起きているときの脳の状態はこうなっています。

脳の中でも扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる「本能的な快・不快」「恐怖と不安」に関わる部位の血流増加。

働きが活性化して人は不快で恐怖と不安を感じています。

さらにそれを海馬という記憶装置が記憶します。

だから予期不安や広場恐怖が起きます。

また、前頭前野(ぜんとうぜんや)と呼ばれる「やる気」や「前向きになる思考」をつかさどる部分の働きが抑えられています。

 

パニック障害が起きている状態をまとめると。

扁桃体、海馬の働き ↑↑

前頭前野の働き   ↓↓

 

対し、鍼灸の治療をするとこうなります。

扁桃体、海馬の働き ↓↓

前頭前野の働き   ↑↑

 

鍼灸の治療をすると呼吸が深くなるなど身体の面での変化に加え、脳内の働きにも作用するので不安や恐怖が抑えられ、やる気に満ち、前向きになります

 

つまり。

身体と心が繋がっている。

これは科学的にも証明がされていて、だからパニック障害には鍼灸の治療が有効であると考えられます。