NEW寝つきに2時間以上かかり夜中に何度も目が覚める不眠
症状
症例者は2ヶ月前から徐々に寝つきが悪くなり、入眠までに2時間以上を要するようになった。また、夜間に4、5回の中途覚醒があり、毎日同様の状態が続いていた。医療機関で不眠症の疑いと診断され、1ヶ月間服薬治療を受けたが改善は見られなかった。睡眠障害により日中の集中力や判断力が低下し、仕事の作業効率が悪化していた。休日も活力がなく、何もする気力が湧かない状態であった。随伴症状として頭痛、呼吸困難感、不安感、動悸が継続的に出現していた。初診時の所見では、首の動きに制限があり、呼吸が浅く、腹部に緊張が認められた。
-
来院者
女性
30 代
-
期間
2025年5月 ~ 2025年11月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
11回~15回
施術と経過
初回施術では、首の緊張と浅い呼吸に対して頭と手のツボに鍼をした。腹部の緊張に対しては、緊張している箇所に合わせたツボを選択して施術を行った。施術後、呼吸が深くなり、首の可動域制限が改善された。腹部の緊張は緩和したものの、まだ残存していた。呼吸の深まりと身体の緊張緩和から、症状改善の可能性が期待された。2回目以降も同様に呼吸、首の緊張、腹部の状態に対する施術を継続し、冷えに対する施術も加えた。施術を重ねるごとに、入眠時間が短縮し、中途覚醒の回数が減少していった。呼吸と身体の緊張が緩和するにつれて、睡眠の質が向上した。頭痛や動悸も同時に改善していき、12回の施術で大幅な改善が得られた。
使用したツボ
まとめ
2ヶ月間続く不眠症状に対して、服薬治療では改善が見られなかった症例である。初診時の所見から、首の緊張、浅い呼吸、腹部の緊張が睡眠障害に関与していると考えられた。頭と手のツボ、腹部のツボへの施術により、呼吸が深くなり身体の緊張が緩和された。2回目以降は冷えに対する施術も加え、継続的に治療を行った。施術を重ねるごとに入眠時間の短縮と中途覚醒の減少が認められ、12回の施術で睡眠の質が大幅に改善した。随伴していた頭痛や動悸も同時に改善し、日常生活の質の向上につながった。身体の緊張緩和と呼吸の改善が、睡眠障害の改善に有効であったと考えられる。

















