NEW会議室などの閉鎖空間で呼吸が浅くなるパニック様症状
症状
数年前から狭い場所でパニック様症状があった。2025年7月に電車内でパニックの症状が出現。その後会議室などの閉鎖空間でも同様の症状が現れるようになり、発症頻度が増加していった為来院。症状としては、気分が悪くなり、その場から飛び出したくなる衝動と、呼吸が浅くなる感覚を訴えていた。これらの症状により、仕事上必要な会議への参加が苦痛となり、日常生活に支障をきたしていた。心療内科を受診し、内服薬による治療を受けていたが、症状の改善が十分ではなかった。
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来院者
男性
50 代
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期間
2025年8月 ~ 2025年10月
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頻度
週1回程度
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通院回数
5回
施術と経過
初診時の触診では、腹部、特に鳩尾辺りの緊張が強く認められた。呼吸の浅さを改善する目的で、臀部のツボである胞膏、膝の内側のツボである曲泉に鍼をした。初回施術後、呼吸の浅い感じが改善された。2回目以降は、背部の張りが確認され、予期不安の訴えもあったため、これらの部位の緊張を緩和する施術を継続した。施術を重ねるごとに、会議室に入っても症状がほとんど出現しなくなり、予期不安も徐々に軽減していった。5回の施術で大幅な改善が得られ、施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
パニック障害の疑いによる閉鎖空間での不安症状に対して、呼吸機能の改善と身体的緊張の緩和を目的とした鍼施術を行った。初回から呼吸の浅さが改善し、継続的な施術により予期不安も軽減された。背部と臀部の緊張を取り除くアプローチが効果的であり、5回の施術で会議室などの閉鎖空間でも症状がほとんど出現しなくなった。身体的な緊張の緩和が精神的な不安の軽減につながることが示唆された症例である。







