NEW吐き気とげっぷ、背中の張りを伴う逆流性食道炎
症状
症例者は10年前からパニック障害の疑いで服薬しており、電車や飛行機を待つ際に呼吸の浅さや手足の痺れを感じていた。8年前からは逆流性食道炎の疑いによる吐き気とげっぷが出現し、特に立ちっぱなしが続くと症状が強まり、座ると少し楽になるという状態であった。服薬や油物を控える食事管理を行っていたが、症状は持続していた。また、右肩や背中のつっぱり感があり、食器洗いなどで前傾姿勢になると特に気になっていた。過去には1、2回回転性のめまいも経験していた。日常生活では乗り物の利用に制限があり、食後のげっぷが気になるなどの影響が出ていた。さらに、5、6年ほど便秘の疑いで服薬を続けている状態であった。
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来院者
女性
50 代
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期間
2023年11月 ~ 2023年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初診時の腹診では、みぞおちと臍の側部に張り感が認められた。足、頭、腰のツボに施術を行い、お腹、背中、肩の緊張緩和を確認した。2回目以降も同様の方針で施術を継続した。施術を重ねるごとに症状は改善し、食後のげっぷや背中、肩の張り感はたまに気になることはあるものの、吐き気やげっぷで日常生活で困ることは大幅に減少した。また、便秘に関しても改善が見られ、決まった時間に排便できるようになってきた。6回の施術で改善が得られ、施術期間中に症状の再燃は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、長期にわたるパニック障害の疑いと逆流性食道炎の疑いによる複合的な症状に対して、足、頭、腰のツボへの施術を行った。腹部の張り感や背中、肩の緊張に着目し、継続的な施術により消化器症状と筋緊張の両面からアプローチした結果、吐き気やげっぷといった主訴が軽減された。また、副次的な効果として便秘症状も改善した。これらのことから、消化器症状と自律神経症状に対する鍼灸施術の有効性が示唆される症例である。
担当スタッフ
渡辺 賢司























