NEW突発性難聴再発後の右耳聴力低下
医師による診断:突発性難聴
症状
症例者は来院3週間前に突発性難聴の疑いを発症し、一度は回復したものの、来院3日前に再発した。医療機関で突発性難聴の疑いと診断され、ステロイド治療を受けた結果、残響感や閉塞感は改善傾向を示したが、右耳の聴力低下は残存していた。日常生活に大きな支障はないレベルであったが、右耳の聞こえ方に左右差を自覚していた。なお、症例者は高校生の頃から耳鳴りがあり、2年前には右耳の耳管開放症の疑いの既往もあった。
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来院者
男性
60 代
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期間
2024年11月 ~ 2024年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
4回
施術と経過
初診時の触診では、肩上部と臀部の緊張が顕著に認められた。そこで臀部と下腿のツボに鍼をした。初回施術後、首の回旋の可動性が改善されたが、聴力の変化は不明であった。2回目以降も同様の方針で施術を継続したところ、施術を重ねるごとに聴力の改善が認められるようになった。4回の施術を経て、右耳の聴力は大幅に改善し、施術期間中に症状の再燃は見られなかった。
使用したツボ
まとめ
突発性難聴の疑いに対してステロイド治療後も残存していた聴力低下に対し、臀部と下腿のツボへの施術を行った。初回施術では首の可動性改善が得られ、継続的な施術により聴力の改善も確認された。4回の施術で症状は大幅に改善し、再燃も認められなかった。高校生からの耳鳴りや耳管開放症の疑いの既往があったが、身体の緊張を緩和するアプローチが聴力改善に寄与した可能性が考えられる。突発性難聴の疑いに対する鍼灸施術の有効性が示唆される症例であった。







