NEW長年悩まされている腰臀部痛
症状
60歳を超えてから骨関節系の不調が増加し、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、右膝半月板損傷の診断を受けている。立ち座り動作やしゃがみ込み、30分以上の歩行で痛みが出現し、腰臀部痛に伴って右下肢全体に痺れがある。痛みが強い時は夜も眠りにくく日常生活動作に著しい支障をきたしている。両肩関節と両股関節の可動域制限が顕著である。
-
来院者
女性
60 代
-
期間
2021年7月 ~ 2021年10月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
11回~15回
施術と経過
初回施術では下腿部、腕のツボに鍼をした。立ち上がり動作にやや安定感が出たものの、痛みや痺れの改善は見られなかった。2回目以降は股関節の可動域改善を主目的として施術を継続、腰部のツボを適宜追加した。5回目までは症状に大きな変化は見られなかったが、6回目以降から徐々に立ち座りや歩行時の痛みが軽減。11回目からはしゃがみ込み動作も改善した。施術期間中、一時的な症状の戻りはあったものの、以前のような重度の悪化は見られなかった。13回の施術で症状は大幅に改善した。
使用したツボ
まとめ
複数の整形外科的疾患を抱える高齢者の症例である。股関節の可動域制限に着目し、継続的な施術を行うことで、立ち座りやしゃがみ込みなどの基本的な動作の改善が得られた。症状の改善には一定の期間を要したが、6回目以降から明確な効果が現れ始めた点が特徴的である。高齢者の場合、急激な改善を目指すのではなく、緩やかな回復を目標とした施術計画が有効であることが示唆された。また、日常生活での負担を考慮した生活指導の重要性も確認された。