腹部の冷えが顕著な逆子、妊娠33週
症状
妊娠33週で来院され2日前の検診で骨盤位(逆子)になっているとのことだった。28週の頃の検診でも逆子と言われていたが『活発な赤ちゃんだからひっくり返るかもしれません』と言われたこともあり気にしていなかったが流石に焦りを感じ連絡をいただいた。鳩尾に頭、身体が左側の方に傾いている形をとっている。
随伴症状として多い、腰痛や肩こり等特段の不調を抱えているわけではない。腹部から下半身にかけて冷えが目立っている。
強いて言えば、妊娠してから朝の手の浮腫みが顕著であり、握りづらいことが続いている。
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来院者
女性
30 代
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期間
2022年12月 ~ 2023年1月
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頻度
週2~3回
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通院回数
5回
施術と経過
腹部に触れたところ、逆子の時に多くみられる腹部の緊張は強くはないものの全体に冷えが強く足先まで冷たい。また、手の浮腫みをみていくと左肩の動きが右より悪いこと・頸部の左側屈時右側に伸展時痛があることがわかった。施術を行う上で、腹部の冷えを取り除き深い呼吸を促すこと・頸部や肩関節の動きを整え上肢の機能促進を考えた。
1回目、頸部の動きを整えることを目的に肩甲骨内縁にあるツボ・肩関節と季肋部にみられた緊張に対応するツボに鍼をした。
鍼をすると脚は温まったが腹部は冷えたままであったため初回終了後からセルフケアお灸を実施してもらった。
2回目、朝のむくみは左手の方が顕著であったとのこと。胎児との関連も考え左肩・季肋部の緊張を取ることを考えた。
これまでと同じツボで対応すると2回目の方がお腹まで温まったのが確認された。
3~5回目、手の浮腫みは感じることが少なく改善傾向にある。腹部の冷えに加え、臀部の冷え・緊張が目立つようになってきたため臀部のツボを使うことで対応した。
5回目の翌日の検診後に頭位になっていたとの連絡を受け施術を終了とした。
使用したツボ
まとめ
腹部の冷えが顕著だった本症例、内臓の賦活と季肋部の緊張を取り除くことで呼吸を深く出来るように仕掛けました。
実際に胎児に向けて行うものではなく体内環境を整えることで鍼灸では手助けを行います。
そのよう観点からみると時間を要しますが限られた時間の中で施術とセルフケアで一緒に向き合うことが出来ました。
担当スタッフ
洲崎 和広