顔面神経麻痺でまぶたと唇が動かしにくい
症状
1ヶ月ほど前、舌の右奥に違和感を覚えた。入浴時に口に入ってきた湯を吹き出したところ、口から出た湯が右にそれて飛んだので、右頬を触ってみたところ、感覚がおかしいことに気づいた。
数日後、耳鼻科を受診したところ大きな病院に紹介され、1週間入院し、ステロイドの点滴治療を受けた。
受診当日、発症当初よりは動かせるようになったが、右目のまばたきがうまくできず、唇もうまく動かせない。特に麺類が食べにくく、唇を右側に寄せると違和感がある。
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来院者
男性
40 代
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期間
2022年6月 ~ 2022年7月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
1診目。顔面神経麻痺以外の症状についてたずねると、首のこりが辛いとの答えがあった。目の疲労に比例してつらさが増すとのことである。実際に、うなじに触れてみたところ、強い緊張が認められたため、背部のツボに鍼をしてこれをゆるめた。
また、頚部前面の筋肉の緊張を緩める目的で手と足のツボに鍼をした。
2診目(3日後)。唇を右に寄せる動きがしやすくなり、まばたきがしやすくなった。唇にまだ力強さが戻ってこない、とのことであった。1診目のツボに加えて、肩の緊張を緩める目的で臀部のツボに鍼をした。
3診目(6日後)。感覚的に8〜9割元に戻った。改めて動かしてみると、少々違和感があるという程度になっている。従来のツボと、下腿のツボに鍼をした。
4診目(12日後)。まったく問題なく顔が動かせるようになったとのことで、施術を終了した。
使用したツボ
まとめ
頚部や肩の筋緊張が強く、これが顔面部の筋緊張を生んだものとみて施術を行った。
腕や手の筋肉の緊張によるものだと考え、当該部位のツボを中心に施術を組み立て、これに加えて臀部、足のツボを使った。比較的早期に改善がみられた例である。