交通事故後より動悸・肩こりがきつくなる
症状
10代の頃より肩こりは自覚していたが、2017年2月に車を運転中に路面凍結していてスリップして横転事故を起こす。救急車で搬送されるも骨などに異常はないといわれた。その事故以降、肩こりが今まで以上にきつくなり動悸がするようになってきた。4月に激しい動悸に襲われ、手が震えて胸部の不快感と息苦しさでこのままでは死んでしまうと思い救急車を呼んだ。搬送先の病院で検査の結果、どこにも異常はないので心療内科に行くように言われ、心療内科を受診し「パニック障害」と言われ精神安定剤を処方されている。薬を飲んでいても胸部の不快感と動悸は日によって激しく出るため、外出も不安でできなくなってきた。友達に腹式呼吸がいいと言われるも、苦しい時に腹式呼吸をすると息を吸う感覚がわからなくなり余計に苦しさと動悸が増す。また、カラ咳と、のどのつかえ感が出る。娘がインターネットで当院を調べて来院する。
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来院者
女性
40 代
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期間
2017年6月 ~ 2017年9月
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頻度
週2~3回
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通院回数
11回~15回
施術と経過
動きの検査で、首を後屈したときと左に側屈したときに左首から左肩にかけて痛みが出ることがわかった。みぞおちからわき腹にかけて不快感が出ると動悸が出てくる。触診で、左背部、左手首、お腹、左足が異常に緊張している箇所があった。これは交通事故の際、ハンドルを強く握りしめたまま強い衝撃を受けたため、上肢と体幹の連動性のバランスが崩れてしまった状態であった。そのバランスを回復させるように施術を行った。初診の治療後「あ~楽」と思わず口から出た。動悸はしばらく続いたが息苦しくてパニックになるほどではなくなっていった。施術を重ねていくと身体が動きやすくなり、呼吸も楽になってきた。動悸も深呼吸すれば落ち着くようになり、自分でコントロールできるようになった。薬の量も心療内科で減らしてもらえるようになった。現在はひと月に一回ほど身体の調整に来院している。
使用したツボ
まとめ
交通事故のダメージが、一見動悸と繋がるように思われず、気持ちの問題、心の問題と言われがちだが、実際は、衝撃で身体の連動性が失われ動きが悪くなると動悸などの症状がでてくることは少なくない。失われた連動性を回復させていくと症状も改善していく典型的なケースであった。
担当スタッフ
梶谷和史