NEW側湾の影響が考えられる右股関節の痛み
症状
60代女性。3ヶ月ほど前から娘に歩行や動作が遅いことを指摘され、病院を受診したところ側湾症の疑いと診断された。受診から1ヶ月ほど経過した頃から、右鼠蹊部から大腿前面、下腿前面にかけての痛みと痺れが出現するようになった。座位の状態が続くと痛みが出やすく、特に座っている状態から立ち上がる時に症状が顕著に現れた。車の乗り降りや椅子からの立ち上がり動作時に痛みと痺れが強く出るため、日常生活に支障をきたしていた。病院でリハビリを受けていたが大きな変化は見られず、悩んでいる状態であった。また、腰全体、特に右側に張り感が出ることが多かった。
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来院者
女性
60 代
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期間
2025年9月
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頻度
週2~3回
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通院回数
10回
施術と経過
初診時の触診では、鼠蹊部と股関節周辺の緊張が強く、股関節の内外旋時に鼠蹊部に痛みが確認された。また、大転子周辺の緊張も顕著であった。施術は股関節と鼠蹊部の緊張を緩めることに重点を置き、手のツボと足のツボを使用して進めていった。施術を行うと股関節周辺の緊張が少しずつ減少し、歩行についても改善が見られた。計10回の施術を行い、回を重ねるごとに徐々に症状が改善していった。6回目あたりからはズキッとした痛みや歩きにくさはなくなり、なんとなくの痛みに変化した。10回の施術で治療が必要ない状態まで回復し、施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現はなかった。
使用したツボ
まとめ
側湾症の疑いに伴う右鼠蹊部から下肢にかけての痛みと痺れに対し、股関節と鼠蹊部の緊張を緩める施術を行った。手のツボと足のツボを用いた施術により、股関節周辺の緊張が徐々に減少し、歩行状態も改善していった。6回目の施術以降、急性的な痛みは消失し、10回の施術で日常生活に支障のない状態まで回復した。本症例では、側湾症に伴う筋緊張が鼠蹊部や股関節周辺に影響を及ぼし、神経症状を引き起こしていたと考えられる。局所の緊張を段階的に緩めることで、痛みと痺れの改善につながった。

























