NEWコロナ後の突発性難聴と二重音の聞こえ
症状
約2週間前、新型コロナウイルス感染。その際に右耳に突然の聴力低下と音の二重聞こえ、耳づまり、耳鳴りの症状が出現した。医療機関を受診し、当初「中耳炎」と診断されたが、その後「突発性難聴」と診断が変更された。症状により会話やテレビ視聴に支障が出ており、日常生活に影響を及ぼしていた。初診時の所見では、顎周辺部と頚部に明らかな緊張が認められた。
-
来院者
女性
40 代
-
期間
2023年9月 ~ 2023年10月
-
頻度
週2~3回
-
通院回数
8回
施術と経過
顎関節の機能改善を目的として手部と背部のツボに施術を行い、また頚部の緊張緩和のため、足部と背部のツボに鍼を行った。2回目の施術時には聴力低下と音の二重聞こえの改善が確認された。ただし、耳鳴りと音の反響は残存していた。4回目の施術時には耳鳴りの自覚症状が軽減し、新たに耳に薄い膜が張っているような違和感の訴えがあった。5回目以降は日常生活に支障がない程度まで改善し、8回目の施術で膜状の違和感も消失した。
使用したツボ
まとめ
コロナ後遺症の一症状として発症した「突発性難聴」に対し、顎関節周辺と頚部への施術を中心としたアプローチを行った。施術開始後早期から聴力障害と音の二重聞こえの改善が確認され、その後段階的に耳鳴りや違和感も軽減した。全8回の施術により、最終的に日常生活に支障のない状態まで回復した。本症例では、耳症状に対して顎関節と頚部の調整が有効であったことが示唆された。