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妊娠中の鍼施術

妊娠中のマイナートラブル

妊娠がわかって嬉しい気持ちに浸る間もなく、すぐにつわり症状がでて辛いです、という声をよく聞きます。ほかに腰痛や倦怠感など妊娠中はさまざまな身体の不調を経験する人が多いのではないでしょうか?

妊娠に伴って起きる様々な不快な症状のうち、医学的には問題とされず積極的な治療は行われないものをマイナートラブルといいます。重大な器質的疾患や合併症はないため、あまり重要視されません。

いわゆる不定愁訴・病院へ行くほどではない症状、と同じ分類といえるでしょう。

マイナートラブルとして、主につわり 背中の痛み 腰痛 股関節痛 恥骨痛 首肩こり 疲労感 便秘 頻尿 むくみ 足のつり 寝苦しさ が挙げられます。

妊娠経過に伴うホルモンバランスの変化、大きくなる子宮や体重の増加などの影響が主な原因と言われています。

日常生活が安心をもたらす

マイナートラブルは妊娠中の特有の症状、出産後におさまる一時的な症状とされますが、時間が過ぎるのをただひたすら待つことが最善でしょうか?

妊娠中の期間は赤ちゃんが来てくれた嬉しさとともに、環境・身体の変化や不安が押し寄せるときです。そのような時期の不調を軽減して毎日を健康的に過ごす(何気ない動作をスムーズに運ぶ)ことは安心につながります。日常を普通に過ごせることはとても大切なのです。そのためにもマイナートラブルの軽減はとても重要といえます。

妊娠それ自体が原因で起こる症状は根本的に治すことはできない場合もありますが(症状により異なります)、鍼施術で症状を軽減することは可能です。

妊婦さんの鍼施術

妊娠中の方への「特別な鍼」の方法があるのでしょうか?

例えば妊娠中特に訴えが多い腰痛。ぎっくり腰、寝返りが痛い、中腰が辛い、椅子から立ち上がる時が痛い・・と腰痛を経験された方ならわかると思いますが、妊婦さんの腰痛もこのような内容です。これらの症状をみるとき「妊婦さんは特別」と考えることはありません。基本の考え方は非妊娠時の体と同じです。

腰痛が発症したきっかけは大きくなったお腹かもしれませんが、直接の原因ではありません。

大きくなったお腹にあう動きが出来なかったことが原因なのです。子宮の重みで反り身になり背部~腰は緊張しがちですが、適切に骨盤を動かすことができればこのような痛みは避けることができます。骨盤がスムーズに動くようにしてあげると、大きなお腹でも痛みは軽減します。手や足のツボを主に使います。

 

お腹への影響

妊婦さんの理想のお腹は「全体がふわふわと柔らかく温かさが感じられる状態」と表現されます。

子宮が弛緩したときを利用して胎児は身体のあちこちを動かし、伸びをしています。赤ちゃんが動きやすい環境を作ることを目的とするため、特に逆子の時にはお腹の状態に注目します。実際にお腹の柔らかさがでると、施術中も施術後も胎動が増えます。

冷えや精神的緊張がお腹に影響するといわれていますが、実は腰痛が軽減するとお腹の張りも減り柔らかくなります。腰痛だけでなく肩こりや鼠径部痛、便秘などの症状を緩和することでもお腹の張りが減ります。

しなやかな動きやすい体になること、内臓の調子を整えることはお腹の緊張を緩ませることに繋がります。つまりお母さんの体の不調を軽減することは、体の余分な緊張をとり赤ちゃんへの良い環境を作ってあげることにもなると言えます。

妊娠中の鍼施術の安全性

妊娠中に鍼灸施術を受けるにあたっての一番の不安は、「鍼灸施術は流産につながる可能性があるのか」ということでしょう。
特に妊娠初期に使うとリスクがあるツボという記載も見かけます。よく「知らずに押してしまって心配なんです」と相談されることもありますが、実際にはそのツボを押したり鍼灸の刺激で流産をしたという報告はありません。(過剰な刺激は痛みやダルさにつながりますので、適切な刺激量というのは大切です。)妊婦さんには下腹部への深刺は避け、通常通りの鍼施術が可能です。

整動鍼の特徴として

●できるだけ少ないツボ・鍼の本数で変化を出す(体への負担が少ない)

●症状のある場所には鍼をしない(根本から治すことにはならない・副作用を防げる)

が挙げられます。施術者は全ての患者さんに対して常に安全性を考えていますが、この特徴は妊婦さんにもしっかりと安心していただけるものと思います。

 

マイナートラブルをきっかけに初めて鍼灸院を訪れる方は多いです。

マタニティの期間を快適に過ごしていただきたいと思っています。鍼灸施術をぜひご活用ください。

 

 

※血圧、血液検査、出血の有無、安静の指示、医師から注意を受けていること、処方されている薬、医師からの許可を確認しています。