箸を持つのもきつい両親指のバネ指
症状
2018年5月両手親指の付け根に鋭く痛みが走る。
6月上旬に1軒目の整形外科を受診し、「腱鞘炎」という診断が下る。塗り薬と飲み薬で様子見をするものの変化がなく親指に注射を打つものの変化はない。
6月中旬に2件目の手指専門整形外科を受診。レントゲン「骨には異常がない」この時も「腱鞘炎」の診断。原因は「更年期だから仕方がない」とされる。
7月上旬「更年期」というワードが出たため婦人科を受診。ホルモン剤テープと漢方薬にて治療。
7月中旬近くの接骨院で1日置きに電気とマッサージを行うが左親指を曲げるとカクンカクンとし始めさらに痛み始め、その後右手親指を曲げてもカクンカクンとなる。
親指を使わないように手指シリンダーで固定。一度病院へいき「両親指のバネ指」という診断が下る。
この時、箸を持つのがきつい、硬貨が持てない、下着のホックがつけれない、タオルが絞れない、洗濯ばさみが使えないといった日常生活にもかなりの支障をきたすようになる。
(ご本人が用意した経過メモを参考に記述)
インターネットでバネ指関連のサイトをものすごく検索し、当院へ。
8月11日当院での施術を開始。
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来院者
女性
50 代
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期間
2018年8月 ~ 2018年8月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
動きとしては両親指とも曲げることが困難。
特に右手に関しては母指球(ぼしきゅう)と呼ばれる親指腹の部分にも痛みが走る。
初回
両親指を曲げれるように両脊柱のツボ、さらに両親指の動きを改善する目的で両肩甲骨外側のツボに鍼を行ったところ関節可動域に大きな変化がみられた。
右手は母指球の痛みがあるので脊柱にある別のツボに鍼を加えて行う。
多少の動きの滞りはあるものの動かす範囲は大きく変化したのでその回は終了。
会計の際に硬貨を何気なく持つことができ感動されていた。
2回目
また来た時に状態が戻る事はなく、日常生活でも箸を持つ、洗濯ばさみを使う、タオルを絞るといった動きが出来るようになった。
アプローチは初回と同様に行う。
カクンカクンとした動きの滞りは無くなる。
3回目
2回目の時点で右手親指の母指球の痛みは消失。
日常生活でも下着のホックも付けられるようになった。
両拇指を曲げる事を目的に脊柱と肩甲骨外側に鍼を行う。
4回目
特に何も支障がない状態。
肩甲骨外側に圧痛だけが残っていたので両側に鍼をして無事卒業という運びとなった。
使用したツボ
まとめ
バネ指に対する施術は患部よりもその本質的な原因を見極めてアプローチをすることが求められる。
注射や電気、マッサージも素晴らしい施術方法であるに違いないが患部のみの局所的な施術では難しい部分が多い。
今回、肩甲骨、脊柱にアプローチをすることで親指の動きが改善し痛みは取れてくることを象徴したような症例であったと言える。
そうすれば早期の回復が期待できる。