NEW腰を伸ばせない急性腰痛と歩行障害
症状
40代の症例者が腰の痛みを主訴に来院した。前日の朝、起き上がろうとした際に強い痛みが生じ、起き上がるのに時間を要した。痛みは腰の周辺に広がり、腰を伸ばすと痛みが増強するため伸ばせない状態であった。常に痛みがあり、腰を曲げている姿勢では多少楽になるものの、動作が制限されていた。痛みのため仕事を休んでおり、夜間は寝返りが困難で寝不足が続いていた。歩行も痛みによりぎこちなくなっていた。2年前にも同様の症状を経験しており、鍼治療が有効と考え来院した。一昨日の運動会でテントの準備や片付け、車の洗車など重労働が症状の誘因と考えられた。
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来院者
男性
40 代
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期間
2025年10月 ~ 2025年10月
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頻度
週1回程度
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通院回数
2回
施術と経過
初診時、動作に時間がかかるほど痛みが強かったため、座位のまま施術を開始した。腰に関係する背中、足、手のツボに鍼をした。背中の筋緊張が緩和したため、うつぶせ寝で臀部のツボに鍼をした。初回施術後、腰を伸ばせるようになり、痛みは10段階評価で10から2まで減少した。下を向くと腰に響く症状が残ったため、首のツボに鍼をして初診を終了した。4日後の再診時には起き上がりに恐怖感はあるものの、その他の動作は通常通り行えるようになっていた。同様の施術を行い、2回の施術で日常生活に復帰した。
使用したツボ
まとめ
重労働後に発症した急性腰痛に対して鍼治療を行い、良好な結果が得られた。背中、足、手、臀部、首のツボへの施術により筋緊張が緩和され、痛みが大幅に軽減した。座位から開始し、症状の改善に応じてうつぶせ寝での施術に移行する配慮が効果的であった。2回の施術で日常生活に復帰でき、1ヶ月後も良好な状態が維持されていることから、急性腰痛に対する鍼治療の有効性が示された。今後も重労働後の身体のケアや予防的な対応が重要である。















