症状

更年期障害の疑いがある40代女性。3ヶ月前から朝起床時にふわふわするめまいと後頭部のモヤモヤ感を訴えていた。症状は2、3日に1回程度出現し、めまいが強い時は家事ができないほどであった。医療機関でめまい止めを処方され服用していたが、症状は継続していた。また、全身的な疲労感と肩こりを伴っていた。初診時の所見では、頸部屈曲時に首の付け根付近の痛み、頸部右側屈時に左側の痛みがあり、後頭部に熱感が認められた。

施術と経過

背中のツボと手足のツボに鍼を行った。初回施術後、頸部の可動域が改善し、熱感も軽減した。2回目の施術では、1回目の施術に加えて腓腹筋部のツボも用いることで、より広範囲の肩こりの緩和を図った。その結果、後頭部のモヤモヤ感は減少した。4回目の施術時には、ボーっとする感覚が消失し、肩こりも改善。新たな症状の出現や再燃はみられなかった。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• T6(C) R
• T7(C) R
• 根張 R
• 承山 LR

ツボ名称下に表示されるスコアメーターについて ツボの重要度を表したものです

まとめ

更年期障害に伴う自律神経の乱れが、めまいや頭部のモヤモヤ感、肩こりの原因として考えられた。頭頸部周辺への施術に加え、四肢末端部への施術を組み合わせることで、全身の循環改善と自律神経の調整を図ることができた。4回の施術で症状は大幅に改善し、日常生活に支障をきたすような症状は消失した。本症例から、更年期に伴う諸症状に対して、全身的なアプローチが有効であることが示唆された。

担当スタッフ

藤枝　聖也

症例を投稿した鍼灸院：えだは鍼灸マッサージ院