NEW座位困難な腰痛と下肢痛が改善した症例
症状
2ヶ月前より左下肢後面に痛みが出現し、その後腰部にも痛みが波及した症例である。座位姿勢で特に症状が悪化し、長時間の会議などの業務に支障をきたしていた。整形外科を受診し投薬治療やブロック注射を受けるも改善が見られず、手術を検討していた。医師からの明確な診断名はつかず、手術を避けたいとの思いから当院に来院している。来院時、下肢後面から腰部にかけての筋緊張が顕著であった。
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来院者
男性
30 代
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期間
2023年11月 ~ 2023年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初回施術では、座位姿勢で負担がかかりやすい部位を中心に、ハムストリングスや足部、臀部のツボに鍼をした。施術後、腰部の軽さを自覚した。2回目以降も同様の方針で施術を継続した。3回目の施術後には、座位での痛みは継続するものの、症状が緩和するまでの時間が短縮した。5回目で顕著な改善が見られ、4時間程度の座位でも下肢に軽度のハリ感を感じる程度まで改善。6回目の施術後には終日の座位が可能となるまでに回復した。
使用したツボ
まとめ
座位姿勢で増悪する腰痛と下肢痛に対し、負担のかかりやすい部位へのアプローチを行った症例である。筋緊張の緩和と痛みの軽減を目的とした施術により、段階的な改善が得られた。手術を検討していた症状が、6回の施術で日常生活に支障のない程度まで改善したことは特筆すべき点である。本症例からは、手術適応とされる症例であっても、適切な施術により保存的治療が奏功する可能性が示唆された。