NEW前屈や長座が困難な慢性腰痛
症状
10ヶ月前にギックリ腰を発症し、その後左股関節をぶつけたことで症状が悪化した症例である。主訴は動作時の腰の痛みで、特に靴下をはく動作や前屈、長座、体育座りの際に痛みが出現する。さらに、背中のハリ感も伴っており、長時間の座位が困難な状態であった。医療機関を受診し、レントゲンやMRI検査を受けたが特に異常は認められず、整骨院での施術も効果が得られなかった。
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来院者
女性
40 代
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期間
2023年4月 ~ 2023年4月
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頻度
週1回程度
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通院回数
3回
施術と経過
初診時の診察では、下肢挙上動作や前屈での痛みが確認された。腸腰筋や仙腸関節、臀部の筋肉への施術を目的として、足のツボに鍼をした。初回施術後から下肢挙上動作や前屈動作が改善され、2回目の施術後には長時間の座位が可能となった。3回目の施術後には、時折痛みは残るものの日常生活で気にならない程度まで改善した。施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、ギックリ腰を契機に慢性化した腰痛に対して鍼施術を行った症例である。画像検査では異常が認められなかったことから、筋・筋膜性の疼痛であることが示唆された。腸腰筋や仙腸関節周囲、臀部の筋群に対する鍼施術により、動作時痛や長時間座位での痛みが改善された。特に下肢挙上動作や前屈動作での痛みが初回から改善されたことで、患者の日常生活動作の質が向上した。わずか3回の施術で著明な改善が得られたことから、慢性腰痛に対する鍼施術の有効性が示された症例であった。