妊娠28週の逆子、施術直後に胎児が動く
症状
妊娠28週で逆子であることが判明した。以前から鍼を受けており、馴染みがあったことからすぐに鍼灸院という選択が頭に浮かび、受診に訪れた。患者は、少しずつ胎児が大きくなってきているためか、お腹が張ってきていると訴えている。また、胎動も少なくなっているとのことであった。
腹部に触れてみたところ、胎児の頭部と思われる硬さが左の上腹部に確認できた。胎動を右下腹部に感じるとのことで、そこに足があるものと思われる。下腹部にやや緊張がみられ、腰部の筋肉にも緊張が認められた。
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来院者
女性
20 代
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期間
2021年8月 ~ 2021年8月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
腰部の筋肉の緊張をゆるめることを目的として臀部に鍼をしたところ、腹部の張り感が大幅に減少した。その後、下腹部の緊張をゆるめ、冷えを解消するため、足のツボにしばらく置鍼した。
施術後に腹部に触れると、胎児の頭の位置が下がっていた。鍼をした直後から胎動が盛んになったことを確認し、施術を終了した。
翌日、産婦人科を受診した患者から、頭位に戻っていたとの連絡を受けた。
使用したツボ
まとめ
妊娠28週目であり、まだ子宮の空間に余裕があったことが幸いしたのか、施術の直後に胎児が移動し、胎動を確認することができた。一般的に逆子で鍼灸を受診するのは32週以降が多いが、早ければ早いほど成功率は高くなる。施術の選択肢ができ、時間的な余裕もできるため、患者本人の心理的プレッシャーも小さくなるためである。
注意点として、胎児が動きやすいということは再び逆子になる可能性もあるということを伝え、引き続き観察していく必要がある旨を伝えた。