母指から前腕にかけての痛みと腫れ
症状
【病歴】1週間前より、母指から肘先、手首にかけて痛み、腫れを伴う。 整形外科でレントゲンで調べたところ、骨に異常はないとの事だった。親指の曲げ伸ばしで、痛み増悪。 左腕と比較しても、患部には熱があり、目視で腫れているのがわかる。 指先にしびれはなく、首、肩や肘の運動に伴う痛みの増悪はなし。
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来院者
女性
50 代
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期間
2018年10月 ~ 2018年11月
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頻度
週2~3回
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通院回数
4回
施術と経過
【初診~2診】 痛みを最も感じる、右前腕の中心ラインと関連性の強いツボの反応を確認。肩甲骨周辺と胸椎にある硬結(こり)に鍼を打つ。 帰宅直後から翌々日にかけて腫れが徐々に引き、 翌日には、動作によって誘発されていた痛みが半減していることに気がつく。 経過が良好なので2診目も初診と同じ処置を行う。 【3診】 痛みの場所が、中指のラインから、母指のライン(親指側)に移動したので、同じくその部位に対応している、肩甲骨外側にある硬結に刺針。 【4診】 腫れも引き、痛みを感じないということなので、3診と同じ治療を行い、その後1週間経過観察を行う。 その後は、パソコン作業や書き物など、無理をすると僅かに痛みが再発するということで、1ヶ月に一度メンテナンス目的で施術を継続。
使用したツボ
まとめ
本症例は、指の腱鞘炎の症状だけではなく、前腕の痛みと腫れを伴っていた。 指先や手首付近のみの症状を訴える、腱鞘炎と違い、痛む部位は広範囲であったが、 施術の回を重ねるたび、症状の変化が窺えたのは、症状を誘発する動作が明確であり、本当に必要な治療ポイントを精選できたためと考えている。 発症1週間と比較的新しい症状であったことも短期回復が見られたの大きな要因かもしれない。 同じような症状で悩んでいる方は是非、鍼灸治療を選択しの一つとして考えてみてほしい。