NEWフェリー下船後から続くふわふわとした浮遊感
症状
30代男性が10月にフェリーに乗船後、下船してからもふわふわとした浮遊感が続き、平衡感覚が安定しない状態となった。この症状は立位でも座位でも常に感じられ、症状の程度に大きな変動はなかった。出張が多い仕事をしているため、この不安定な状態が業務に支障をきたすことを心配していた。他の自覚的な体調不良は特になかった。初診時の触診では、首肩の緊張が強く、季肋部にも顕著な硬さが認められた。また、鍼に対する反応が強い体質であることが確認された。
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来院者
男性
30 代
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期間
2025年10月
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頻度
週1回程度
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通院回数
6回
施術と経過
初回の施術では、足のツボと肩甲骨内側のツボに鍼をして首の緊張を緩める施術を行った。施術後、症例者はいつもより長時間の睡眠をとったが、ふわふわ感は大きく改善しなかった。2回目以降は、季肋部の硬さによる呼吸の浅さに着目し、呼吸を深くすることと過緊張を取り除くことを目的とした施術を継続した。3回目の来院時には睡眠時間が正常に戻り、ふわふわ感も消失した。その後は仕事のスケジュールによる疲労管理のため、定期的なメンテナンスを継続している。施術を重ねる中で、今まで気づかなかった首肩のこりやだるさを自覚するようになった。
使用したツボ
まとめ
フェリー下船後に生じた持続的な浮遊感と平衡感覚の不安定さに対し、首肩の緊張緩和と季肋部の硬さへのアプローチを中心とした施術を行った。特に呼吸を深くすることと過緊張の除去に重点を置いた結果、3回の施術で主訴であるふわふわ感が消失し、睡眠の質も改善された。施術を通じて身体感覚が鋭敏になり、これまで見過ごしていた首肩の緊張にも気づけるようになった。現在は仕事による疲労蓄積を予防するため、定期的なメンテナンスを継続している。本症例は、自律神経系の調整と呼吸機能の改善が平衡感覚の回復に有効であることを示唆している。
















