NEW顔面神経麻痺による目が閉じにくく口が引きつる症状
医師による診断:顔面神経麻痺
症状
症例者は来院1カ月前から首と耳の痛みを訴え、翌日には顔の動きに異常が生じた。具体的には、目を強く閉じることができず、口が引きつり笑顔を作る際に口の違和感が残るという症状が常に存在していた。日常生活においては、シャンプー時に目に水が入りやすく、表情を作る際にも違和感があるなど、生活の質に影響を及ぼしていた。医療機関では顔面神経麻痺の疑いと診断されており、目や口の動かしにくさが主な症状として認められた。初診時の触診では、翳風付近と胸鎖乳突筋に緊張が見られた。
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来院者
男性
20 代
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期間
2023年5月 ~ 2023年6月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初回施術では、骨盤周囲、手と足のツボに鍼をした。施術後、首筋と翳風の緊張緩和は確認されたが、顔の動きについて症例者が体感する変化はなかった。そのため継続的な施術が必要と判断し、2回目以降も同様の方針で施術を継続した。4回目以降からシャンプー時に目に水が入る頻度が減少し、口の動きにも改善が見られるようになった。最終的に6回の施術を要し、症状は大幅に改善した。施術期間中に症状の再燃は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、顔面神経麻痺の疑いによる顔面の運動障害に対して、骨盤周囲および手足のツボへの鍼施術を行った症例である。初回施術では局所の緊張緩和は得られたものの、顔面症状の改善は実感されなかった。しかし、同様の施術方針を継続することで、4回目以降から日常生活動作における具体的な改善が認められ、6回の施術で大幅な症状改善に至った。顔面神経麻痺の疑いに対する鍼施術において、局所だけでなく全身的なアプローチを継続することの有効性が示唆された症例である。






