NEW膝関節治療で副次的に改善した慢性下痢
症状

右膝の治療で来院したが、長年の軟便が改善したので報告する。アルコールの常用により固形便がほとんど出ない状態が10年以上前から続いており、特に大量飲酒後は水様性の下痢となる傾向がみられた。痛みは伴わなず日常生活には特に困難を感じていない。右膝に関しては30年以上のスケートボード歴があり、30年ほど前から悪化し、2回の手術を受けている。右膝は伸びきらず、100度以上曲がらない状態で歩行に支障が出ており、触診では膝裏が肥厚して膝の外側、背部の胸椎2番、4番、5番、6番、鎖骨周りに緊張が見られた。
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来院者
40 代
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期間
2025年1月 ~ 2025年4月
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頻度
週1回程度
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通院回数
8回
施術と経過
初回の施術では、膝の周りのツボや胸椎のツボ、右の鎖骨のツボ、すねのツボ、右手のツボに施術を行った。施術後、膝の状態は徐々に改善し、曲げ伸ばしの可動範囲が広がり外側の痛みも軽減した。下痢に関しては、4回目以降から軟便がなくなり、5回目、6回目は2週間開けその後は更に間隔を開けているが、便の状態は良好なまま維持されている。施術期間中に症状の再燃はなく、安定した状態が続いている。継続的な施術により、大量飲酒時を除き、通常の固形便を維持できるようになった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、膝関節機能の改善を目的とした施術が、慢性的な下痢軟便の改善をもたらした興味深いケースである。胸椎部への施術が自律神経系を介して腸管機能に好影響を与えた可能性が示唆される。4回の施術で便性の正常化が達成され、その後も安定した状態を維持している。膝関節への施術が消化器症状の改善につながった本症例は、全身的なアプローチの重要性を示している。
担当スタッフ
宮島 広介