NEW歩行時のかかとの痛み
症状
歩行時に右足のかかとに強い痛みが生じ、足を引きずるような状態で歩行していた。特に階段の下りで痛みが増強し、転倒への不安を感じていた。安静時には痛みはないものの、体重がかかると痛みが出現する状態であった。右膝には2年以上前から水が貯留しており、整形外科で定期的に穿刺を受けていた。また、股関節や足首にも痛みがあり、湿布や鎮痛剤で対処していた。全身的な疲労感も強く、慢性的な疲労状態が続いていた。
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来院者
女性
50 代
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期間
2024年3月 ~ 2024年10月
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頻度
月3回程度
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通院回数
16回~20回
施術と経過
初診時、腰部から下肢にかけての筋緊張が顕著で、特に大腿部、下腿部、足関節周囲に著明な緊張がみられた。骨盤、背部、肩部のツボを中心に全身の筋緊張緩和と関節可動域の改善を目的とした施術を実施した。施術翌日は著明な痛みの軽減がみられたが、症状改善を実感して日常活動量が増加し、翌朝に症状が再燃するパターンを繰り返した。仕事や介護の合間を縫って週2回のペースで施術を継続し、8月から10月までの約3ヶ月間、計20回の施術を要した。
使用したツボ
まとめ
本症例では、かかとの痛みに加えて膝関節、股関節、足首など複数の関節に症状がみられ、それらが相互に影響し合っていた。全身的なアプローチによって筋緊張の緩和と関節機能の改善を図ったことで、最終的に痛みなく日常生活を送れるようになった。ただし、症状改善期に活動量が増加することで再燃を繰り返したため、症状と活動量のバランスを取ることが重要であった。仕事や介護などの日常生活を維持しながらの治療となったが、定期的な施術の継続により、最終的に良好な結果が得られた。