立ち仕事や運転で悪化する足底の痛み
症状
半年前から右足の足底部に痛みが出現した。立ち仕事や車の運転などによる疲労の蓄積が原因として考えられる。特に土踏まずの踵寄りに硬さと圧痛があり、内果の下も硬くなっていた。安静時も動作時も痛みがあり、痛みの程度には波がある状態であった。整形外科を受診し「足底筋膜炎」と診断され、投薬を勧められたが服用はしなかった。付随する症状として肩こりと腰痛も認められた。日常生活および仕事中も痛みが持続し、生活に支障をきたしていた。
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来院者
女性
30 代
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期間
2024年11月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の所見では、右内果下部の硬さと右肩甲骨内縁部の硬結が確認された。歩行に明らかな異常は認められなかった。背中と右肩甲骨内縁部のツボに鍼をした。施術後、患部の硬さが軽減し、圧痛も大幅に改善した。症状が顕著に改善したため、1回の施術で経過観察となった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、長期の立ち仕事や運転による足部への負担が蓄積し、「足底筋膜炎」を発症したケースである。症状は足底部に限局せず、肩こりや腰痛など全身的な疲労症状を伴っていた。背部と肩甲骨周辺への鍼施術により、足部の症状が即時的に改善した点が特徴的である。これは、全身の筋緊張の緩和が足部症状の改善に寄与した可能性を示唆している。1回の施術で顕著な改善が得られたが、症状の再発予防のため、過度な負担を避けることと、定期的なケアの必要性について指導を行うことが望ましいと考えられる。