症状

10年ほど前から呼吸困難感、顔のこわばり、胸部痛の症状が持続している。右鼻部周辺を伸展させると呼吸が楽になるものの、顔面の痙攣様症状が出現し、持続的な伸展が困難である。また、胸部を開く動作により呼吸は容易になるが、その際に胸部痛を伴うことが特徴的である。これらの症状は常に存在し、呼吸困難感により日常生活に支障をきたしている。また、疲労感を伴う状態である。

施術と経過

初診時の所見として、第3胸椎の機能障害、季肋部の緊張、前胸部の硬結が認められた。手部、足部、背部のツボに施術を行い、触診で確認された部位へのアプローチを実施した。初回施術後、呼吸困難感の改善と眼部の痙攣症状の消失が確認された。胸部痛の残存が認められたため治療を継続し、2回目の施術では臀部と足部のツボを追加した。3回目の施術時点でほぼ全ての症状が緩和された。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• 三稜 R
• 手三里 R
• 天井 R
• 胞肓 R

ツボ名称下に表示されるスコアメーターについて ツボの重要度を表したものです

まとめ

長期にわたる呼吸困難感と顔面の痙攣様症状、胸部痛を呈する症例に対し、全身的なアプローチによる施術を実施した。特に手部、足部、背部への施術が奏功し、3回の施術で著明な改善が得られた。初回施術で呼吸困難感と眼部痙攣の改善が得られ、その後の臀部と足部への追加施術により、胸部痛を含むほぼ全ての症状が緩和された。本症例では、症状の原因となっていた胸椎の機能障害と各部の緊張に対して、段階的な施術アプローチが有効であることが示された。

症例を投稿した鍼灸院：はりきゅうルーム カポス