NEW聴力低下と複数の耳鳴りを伴う突発性難聴
症状
突発性難聴の疑いで発症翌日に医療機関を受診したが、最初の病院では適切な診断が得られなかった。その後、別の医療機関で突発性難聴の疑いと診断され、投薬治療を開始したものの改善が見られなかった。主訴は右耳の聴力低下と耳鳴りである。ドライヤーの音が全く聞こえないほどの聴力低下があり、耳鳴りも複数の音が混在している状態であった。また、首こりと右手のしびれも併発していた。
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来院者
女性
50 代
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期間
2020年5月 ~ 2020年6月
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頻度
週2~3回
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通院回数
11回~15回
施術と経過
初診時、頸部、肩背部、臀部に強い緊張が認められた。背部、臀部、肩甲骨外縁などの緊張部位に対して施術を行い、右前腕のツボへの施術により手のしびれは消失した。初回施術後、それまで全く聞こえなかったドライヤーの音が聞こえるようになり、複数あった耳鳴りが「ボー」という単一の音に変化した。2回目以降も同様の方針で施術を継続し、徐々に聴力が回復。3回目の施術後には耳内でのガサガサという音の知覚が可能となり、その後、耳のこもり感と耳鳴りが段階的に軽減していった。
データ
使用したツボ
まとめ
本症例では、突発性難聴の疑いに対して、頸部から背部、臀部にかけての筋緊張の緩和を中心とした施術アプローチを行った。13回の施術を要したが、聴力の段階的な改善が得られた。初期段階での適切な診断の重要性と、全身の筋緊張状態にも着目した施術の有効性が示唆された。また、耳鳴りの性質の変化が改善の指標となり得ることも確認された。