NEW長期の左耳聞こえづらさと首肩こりの関連性からみた改善例
症状
仕事での過度な使用により、5~6年前から左耳の聞こえづらさが出現している。常時持続する聴力低下と耳づまり感があり、日常会話の聞き取りに支障をきたしている。医療機関を受診し、低音感音性難聴の疑いと診断され投薬を受けたが、症状の改善は見られなかった。また、患側である左側の首肩に緊張感を伴っている。
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来院者
女性
50 代
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期間
2023年12月 ~ 2023年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初診時の所見として、左側の首肩部および背部の筋緊張が顕著に認められた。足のツボ、お尻のツボ、腕のツボに鍼をし、首肩周りの緊張に対して広範囲にアプローチを行った。初回施術後より耳のつまり感が軽減し、自覚的な聞こえやすさの改善が得られた。その後も同様の方針で施術を継続し、徐々に主観的な聞こえの改善と声の認識力の向上が確認された。ただし、聴力検査の数値上での改善は認められなかった。計6回の施術を実施し、完治には至らなかったものの、自覚的な聴覚機能の改善により日常生活の質が向上した。
使用したツボ
まとめ
長期にわたる聴力低下に対して、首肩周りの緊張緩和を主眼とした施術アプローチを行った。発症から年月が経過しており、完全な改善は困難と予想される症例であったが、首肩部の緊張緩和に焦点を当てた鍼施術により、自覚的な聴覚機能および日常生活の質の改善が得られた。聴力検査での数値的改善は見られなかったものの、症例者の主観的な症状改善が確認された点は、慢性的な聴覚障害に対する鍼施術の可能性を示唆する症例である。