腹部の冷えをともなう妊娠28週の逆子
症状
妊娠28週で来院、横位になっているとのことだった。腹部に触れてみたところ、逆子の際に多い腹部の緊張は強くはないものの、下腹部の顕著な冷えが認められた。
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来院者
女性
40 代
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期間
2020年11月 ~ 2020年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
腹部の柔らかさを維持しつつ、冷えを解消していく方針を立てて施術を開始した。
上記の目的を果たすため、季肋部や下腹部にはたらきかける手のツボ、足のツボに鍼をした。
2診目(4日後)。前日から、胎動の場所が変わった気がするということで、腹部に触れてみたところ、胎児の位置が変わっている感触が得られた。1診目に準じて施術を行った。
3診目(3日後)。同様の施術を行った。背部痛があるとのことなので、これを解消するため、同時に呼吸を深くするために肘のツボに鍼をした。
4診目(3日後)。前日に検診を受けたところ、頭位ではなく骨盤位(逆子)になっていたとのこと。同様のツボに加え、腰部や肩の緊張をとるため、臀部のツボに鍼をした。
5、6診目も同様の施術で推移していたが、6診目から5日後の検診で頭位になっていたとの連絡を受け、施術を終了した。
使用したツボ
まとめ
逆子で来院する患者の多くは、腹部やそれに関連する腰背部、臀部の緊張が強くみられるが、本例では腰臀部にはある程度の緊張はみられるものの、腹部の緊張はそれほど顕著ではなかった。
一方で、腹部の冷えは顕著にみられたため、これを解消するもくてきで手や足のツボに鍼をしていった。
冷えの問題は筋緊張の問題と比較して効果が安定するのに時間を要するため、28週という比較的早期に施術を開始できたため、ある程度の余裕をもって取り組むことができた例であった。