NEW機能性ディスペプシア腹部膨満感と口内の酸っぱさに著効がみられた1症例
症状
初来院の2ヶ月前に医師より機能性ディスペプシアの疑いと診断された。
飲み物を飲むとお腹が張り、口の中に酸っぱい感じが続く状態が続いていた。
胃腸の症状の程度を示すGSRSスコアは初回28点と高値を示し、日常生活における飲水時の不快感が特に顕著にあった。
口内の酸味と胃部の張りが特徴的な症状として認められ、これらの症状により飲水に支障をきたしていた。
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来院者
男性
60 代
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期間
2024年10月 ~ 2025年1月
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頻度
週1回程度
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通院回数
10回
施術と経過
初回は右T4(4)、左T6(4)、左曲泉、右条口、左四瀆、左T12(3)のツボに施術を行った。
2回目は左T5(2)、左T6(2)、右T5(4)、左T4(4)、左築賓、左地機、右上巨虚のツボを中心に鍼をした。
3-4回目は右T5(2)、右T6(2)、右腸鳴、右兪谷、右合谷、右玉しん、左曲泉のツボに施術を実施。
5回目以降は、右T5(2)、右T6(2)を基本としながら、左右条口、左右合谷、開魄、四瀆などのツボを組み合わせて施術を継続した。
1~3回目までは大きな変化は感じられなかったが、3回目終了時点で症状の改善を実感し始め、特に5回目でGSRSスコアが16点まで改善。
その後も16-17点で安定して推移し、飲水時の腹部膨満感や口内の酸味も消失した。
データ
使用したツボ
まとめ
機能性ディスペプシアの疑いと診断された症例に対し、鍼施術を実施した結果、明確な改善が確認された。
GSRSスコアは初回28点から始まり、5回目以降は16点前後で安定するなど、客観的な改善傾向が示された。
特に5回目の施術以降、著効が認められた点は注目に値する。
胃部周辺のツボを中心とした施術により、飲水時の腹部膨満感や口内の酸味といった不快な症状が改善され、日常生活における飲水時の支障が解消された。このことから、機能性ディスペプシアに対する鍼施術の有効性が示唆された。
担当スタッフ
杉山英照