NEW陸上部中学生の 両側性シンスプリント
症状
中学生の陸上部員が、短距離走の練習中に下腿内側部に疼痛を自覚した。整形外科を受診し、「シンスプリント」と診断された。症状は両側性で、脛骨に沿った部分に痛みがあり、歩行時や走行時に痛みが出現する。痛みにより部活動への参加が困難な状態であった。触診により下腿内側部に圧痛を認めた。
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来院者
女性
15 歳
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期間
2024年4月 ~ 2024年5月
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頻度
月3回程度
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通院回数
3回
施術と経過
初回施術では、背部のツボに左右1本ずつ、計2本の鍼をした。施術直後より疼痛は消失した。約2週間後、右側の症状が再発したため、2回目の施術を実施。この際、予防的な観点から左側にも同様の施術を行った。胸椎部への施術により、下腿部の症状が改善したことから、胸椎の状態が本症例のシンスプリントの発症に関与している可能性が示唆された。
使用したツボ
まとめ
中学生アスリートの「シンスプリント」に対し、胸椎部への鍼施術を実施したところ、即時的な効果が得られた。本症例では背部への施術で下腿部の症状が改善したことから、遠隔部位への施術効果と全身的なアプローチの重要性が示された。再発の可能性も考慮し、予防的な施術も含めた継続的な管理の必要性が確認された。また、年齢層による治療反応性の違いも示唆され、中学生では特に良好な治療効果が得られる可能性が高いことが分かった。